中小企業は経理をアウトソーシングすべき?活用事例と失敗例、おすすめサービスをご紹介

2024.08.28

中小企業は経理をアウトソーシングすべき?活用事例と失敗例、おすすめサービスをご紹介

中小企業の経理業務は、一人や少人数で対応することが多いもの。決算期などには経理を担当する人材のリソースは圧迫され、人手が足りなくなるケースも。また、属人化や退職リスクなどが問題視されています。

そこで、いま注目されているのが経理業務のアウトソーシング。分業やマニュアル化がしやすい経理業務はアウトソーシングに適しており、多くの場合、利用することで業務効率化がはかれます。しかし、中小企業が経理をアウトソーシングする際には注意すべき点も。

この記事では、経理をアウトソーシングすべき中小企業の特徴から活用事例と失敗例、おすすめサービスまでご紹介します。

経理アウトソーシングとは

経理アウトソーシングは「自社の経理業務を総合的に、または一部を専門性の高い外部企業に委託すること、その委託先のサービス」を指す言葉です。

電子化など経理に関する法改正といった動きが活発になり業務が煩雑化するなかで、企業からの注目度が高まり、現在多くの企業がアウトソーシングサービスを利用しています。

経理アウトソーシングに委託できる業務は下記のようなもの。事業者やサービスによって異なりますが、すべての経理業務を委託することも、記帳など一部のみを委託することも可能です。
毎日の業務
・取引先への振込
・仕入先に対する小切手の発行、郵送
・社員の立替経費の精算
・領収書や伝票の整理
・各種帳簿への記録など
月次業務
・給与計算、振込
・源泉所得税や住民税などの納付
・請求書の発行
・試算表の作成など
年次業務
・決算書の作成
・年末調整
・償却資産税申告
・法定調書提出
・法人税や消費税などの申告、納税など

経理アウトソーシングを利用すべき中小企業とは

中小企業に、経理のアウトソーシングをオススメする理由としては、大きく分けて2点が挙げられます。

・人手不足の解消
・経理業務にかかるリソース/コストの削減

上記の点から、経理アウトソーシングを利用がとくに効果的なのは、以下のような中小企業です。

経理業務にコストをかけられない中小企業

スタートアップや中小企業では、人件費削減のため、労務や総務といった業務も行っている従業員が経理業務を兼任するケースも多いもの。しかし、経理業務は業務工数も多く、とくに繁忙期などは経理業務のみで手一杯になってしまうでしょう。その業務負荷の大きさから、従業員の退職につながってしまえば損失は大きなものになります。

そこで、中長期的にコストを抑えるために経理アウトソーシングを利用することをオススメします。経理業務をアウトソーシングすることで、社員のリソースが空き、ほかのコア業務などに集中することが可能になります。新しいサービスを導入する際や繁忙期のみのスポット利用するだけでも社員にかかる負荷を削減でき、退職リスクの低減にもつながるでしょう。

経理担当者が一人ですべての業務を行っている中小企業

慢性的に人手不足が起こりやすい中小企業では、一人の経理担当者がすべての業務を行うことも。その場合、注意すべきなのが退職リスクです。

担当者が一人では、業務はブラックボックス化しやすいため、充分な引き継ぎが行えず、トラブルに発展するケースも。また、社会的な人材不足が続く現在は、後任の採用も困難でしょう。

経理アウトソーシングを利用すれば、従業員の突然の退職によって業務が回らなくなるといった退職リスクを防ぐことができます。

また、外注する際には、業務フローの整理やマニュアルの作成を行います。そのため、社内で窓口となる担当者が変わる場合でも、スムーズに引き継ぎできます。

情報漏洩を防ぎたい企業

「経理担当者は会社の情報のほぼすべてを確認できるため、入社したばかりの人をすぐに信用して任せるのは怖い」という声も多く聞かれます。

上記で言及したように、中小企業ではコストの関係上、一人の経理担当者にすべての業務を任せるケースも多く、ミスや不正が発生しやすい組織体制になるリスクがあります。

経理アウトソーシングを利用すれば、アウトソーシング先が第三者として自社の経理業務に関わることになります。個人情報、特定個人情報、秘密保持の契約を締結することで、情報漏洩のリスクを抑えて業務を委託できます。

また、すでに担当者がいる場合も、一部業務をアウトソーシングすることでチェック体制が強化され、ミスや不正の防止につながるでしょう。

中小企業が経理をアウトソーシングする際の注意点

中小企業にとってメリットの多い経理のアウトソーシングですが、注意点もあります。以下で注意すべきポイントについて解説するので、アウトソーシングが自社に適しているかどうか確認してみてください。

注意点1.経営状況の把握が遅れるケースも

自社で経理業務を行う場合と比べ、外部との連携が必要なアウトソーシングでは経営に関わる数字を把握するまでに時間がかかるケースがあります。しかし、作業や報告のスケジュールが明確に決まっており、管理体制ができているアウトソーシング会社であれば、経理担当者を雇用しているのと変わらないスピードで経営数字を把握できます。

導入前の打ち合わせで、スケジュールや対応スピードなどを相談し、事業者と認識をあわせておきましょう。

注意点2.結果的にコストが高くなることも

多くの経理アウトソーシングの事業者は、作業量などによって料金が変動する従量課金制を採用しています。自社にあわせてコスト調整が可能というメリットもありますが、会社規模や委託内容によっては、経理担当者を雇用するほうがコストを抑えられることも。

また、アウトソーシングする際でも、窓口となる担当者が必要になることは考慮すべきでしょう。管理コストはどれほど発生するのか、自社にかかる工数はどの程度なのかなども事前に確認し、担当者を採用するほうがいいのか、アウトソーシングするほうがいいのか、慎重に検討するようにしましょう。

注意点3. 経理業務のノウハウが社内に蓄積されない

経理業務をアウトソーシング化することで、自社内に経理に関するノウハウが蓄積されにくくなる側面もあります。

将来的に経理業務を自社で行うことを考えている場合には、アウトソーシング事業者に業務フローやマニュアルの整備を依頼するとノウハウが社内に蓄積されます。スポット的なリソースと、中長期的に活用できるノウハウのどちらもを確保できます。

中小企業が経理アウトソーシングで失敗する例

経理アウトソーシングを利用して業務を効率化した中小企業がある一方で、なかには効果がなかった、失敗したという事例もあります。この項目では、アウトソーシングでの失敗例を紹介するとともに対策を考えてみます。

失敗例1. 経理業務が行える従業員がいなくなってしまった

経理業務をすべてアウトソーシングした結果、経理に関する知識をもつ従業員がいなくなったというケースがあります。将来的に経理業務をアウトソーシングし続ける想定なら問題はありませんが、コストなどの面から内製化を考えている場合はアウトソーシング先と相談するなどして対策が必要です。

経理アウトソーシングの事業者のなかには、経理業務のフローの改善やマニュアルの作成まで行えるものもあるため、事前に要望を伝えましょう。

失敗例2. 自社に適したアウトソーシング先が分からない/選定を誤ってしまった

自社の状態やアウトソーシングする目的にあわない事業者に委託してしまい、業務効率化できない、反対にコストや工数が発生するというケースもあります。アウトソーシングする際は、必ず複数社検討し、自社に適した事業者やサービスを選ぶようにしましょう。

・委託したい業務内容
・アウトソーシングする理由
・経理担当者の採用予定

などをアウトソーシング先に伝え、サポート体制やプランを相談することが大切です。大手企業と中小企業では、適切なアウトソーシング先も異なるもの。中小企業が経理業務をアウトソーシングする際には、自社の要望にあわせて柔軟に対応してもらえる事業者を選ぶのをオススメします。

中小企業の経理アウトソーシング活用事例

この項目では、バックオフィス業務を「経理業務全般代行」「DX」「課題整理・業務設計」という3つの軸で改善するSEVENRICH Accountingの経理BPOサービス「BPIO」を活用いただいた際の事例をご紹介します。

経理業務の代行・業務フロー/マニュアルの改善|採用するより速くリソースを確保→業務フロー整備まで委託

会社情報:年商5億円
従業員数:30名
経理担当者:1名
委託業務:
既存の業務フローの整理、売上請求書の発行、振込申請/源泉所得税の集計、支払い請求書集計、入金確認50件/月、振込申請100件/月、給与振込データの作成、立替経費の集計200件/月、納税情報の取得、業務マニュアルの作成など
月額費用:月30万円
経理担当者が退職し、急遽人員が不足した企業さまの活用事例です。

こちらの企業は、クラウド会計ソフトを利用し経理業務を行っていたものの、マニュアルはなく、引き継ぎも十分に行えていなかった状態。そこで、SEVENRICH Accountingにご依頼がありました。

まずは、業務内容をヒアリングし、ご相談の翌月から経理業務の代行を開始。あわせて、既存の業務フローの知りや業務マニュアルの作成を行うなど、経理担当者の採用後を見据え、支援を行いました。

ツール導入|経理業務の時間を50%削減

会社情報:年商10億円
従業員数:30名
※上場準備中
委託業務:
既存の業務フローの整理、導入するツールおよびプランの選定、ツール導入後の各業務フローの提案、経理担当者への操作方法の説明、ツール使用開始後の質問解答など
月額費用:月40万円×6ヶ月

経理業務含めバックオフィス業務の効率化のため、ツール導入を検討するものの社内に対応できる従業員がいなかったという企業さま。業務ごとに異なるツールを使用していたため、全社的にみると不必要な工数とコストが発生している状態に。そこで、ツール導入による業務効率化を目的としてSEVENRICH Accountingにご相談がありました。

最初に業務フローを整備し、企業に適したツールおよびプランを選定しご提案。ツール導入後に、業務が滞らないよう、業務フローの提案を行いました。事前に操作方法を経理のご担当者にご説明したほか、ツール利用開始後には質問に解答するサポート体制を設計し、ツール活用による業務効率化をご支援しました。

中小企業におすすめの経理アウトソーシング事業者5選

最後に、中小企業におすすめの経理アウトソーシングの事業者・サービスをご紹介します。中長期的な業務効率化につながるものを中心に選定しました。おすすめするポイントなども解説していますので、気になるサービスに問い合わせてみてください。

1. 株式会社BPIO| 会計事務所が母体・業務フロー改善サポートも

おすすめポイント
・会計事務所として800社以上の会計税務を顧問。専門性の高いスタッフが多数所属している。
・経理業務全般の代行はもちろん、一部だけの依頼も可能。最適な業務フローの構築も委託できる。
・ITツールの導入サポートもあり、経理業務の中長期的な効率化が可能。
BPIOは、会計事務所として経理BPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)サービスを展開していたセブンリッチグループ会社。経理業務全般の代行、ITツールの導入、課題整理・業務設計などをトータルサポートしています。

業務フローの整備やマニュアルの作成まで依頼可能なため、将来的に経理業務をすべて内製化したいという中小企業にもオススメ。税理士や会計士など多数の専門家が所属する事業者のため、信頼できるプロからサポートを受けることができます。

2. Web特命係 | 経理以外もアウトソーシング可能

公式HP:Web特命係
おすすめポイント
・経理業務以外の総務やWeb制作などもサポートしてもらえる
・最短翌日業務開始も可能。
・採用率5%をクリアした、優秀なアシスタントが業務を遂行。

経理代行だけでなく事務全般の依頼が可能なサービス。書類作成、データ入力、Webサイト更新などの幅広いサポートが受けられます。

コンサルティング業務も提供しており、リモートワーク実施に関するアドバイスなどが受けられます。月額固定費用のみで使わない月は利用休止もできるため、コストが低いのが特徴です。

3. メリービズ | 全国どこでも、どんな業種でも

公式HP:メリービズ
おすすめポイント
・オンラインプロ経理スタッフが、まるで隣にいるかのように業務を遂行。
・東証一部上場企業からスタートアップまで、どんな業種でも対応可能。
・ツールや既存の業務フローを問わず、フルカスタマイズで対応。
メリービズ株式会社が提供しているバーチャル経理アシスタントは、全国700名以上のスタッフがオンラインで柔軟に対応。アウトソースできる経理業務を15万円/月から請け負い、本来すべきコア業務(付加価値や専門性が高い仕事)への集中を支援しています。

4. カチアルサポート | NTTグループが母体

公式HP:カチアルサポート
おすすめポイント
・約4万円/月のプランや約11万円/月のプランなど、稼働時間ごとに料金を設定。
・最短6営業日で利用開始が可能。
・経理、営業、人事などさまざまなバックオフィスのプロが常駐。
NTTグループが提供するバックオフィス代行サービス「カチアルサポート」。稼働時間ごとにプランが設定されており、契約月数が伸びるほどお得になります。

経理BPOならBPIOにお任せください

 株式会社BPIOが展開する「BPIO」は、バックオフィス業務を3つの軸で改善するBPOサービスです。
Screenshot
経理・労務・総務等のバックオフィス業務の代行だけでなく、業務設計やDX支援など幅広く業務を支援します。
業務を効率化し、コア業務に集中できる環境をご提供し、関わる全ての会社に最適なバックオフィス環境を実現するBPOサービスです。

 ご興味がありましたら、ぜひ一度下記のボタンよりサービス概要のご確認や、お気軽にお問い合わせくださいませ。