経理業務を効率化する3つの方法。ポイントも解説。

1人や少人数で担当することが多い経理業務。とくに経理業務にコストをかけられないスタートアップやベンチャー企業、スタートアップ企業では、担当者が少ない傾向があります。

しかし、経理業務は煩雑なことに加え、法改正といった外部要因もあり、少人数で担当するのは難しい業務。そんな業務負担の大きさから退職リスクも高くなりがち。

そこで、今回は経理業務を効率化する具体的な方法と意識すべきポイントを解説。経理業務の適正化を目指す方はぜひお読みください。

煩雑な作業も多い経理業務ですが、以下のような理由から効率化しやすい業務です。

・ルーティン化しやすい業務が多い
・業務フローを改善しやすい
・属人化を防ぎ、業務を効率化できるツールが普及している

経理業務は、「日ごと」「月ごと」「年ごと」など定期的に発生するルーティン業務が多いため、効率化しやすいのです。具体的には、以下のように分類できるでしょう。

これらのルーティン業務を効率化できれば、コスト・工数の大きな削減になります。一度取り組めば、中長期的な利益につながるため、効率化に取り組む意義のある業務といえます。

また、経理業務は基本的に社内で完結するため、業務フローやマニュアルの改善に取り組みやすいのも特徴です。

さらに、経理を含めたバックオフィス業務は、効率化のためのツールやサービスが多く展開されています。ツールを利用すれば、誰でも理解できる形での運用も可能になるため、従業員の教育コストなどを削減できます。スタートアップ企業や中小企業など中小規模の組織の場合、業務の外注化・アウトソーシングしたほうがコストを削減できるケースも。

このように、経理業務は効率化する手法が多くある業務領域なのです。効率化に一度でも取り組めば、以下のようなメリットが得られるでしょう。

・作業時間の削減
・人為的ミスの軽減
・従業員負担の軽減
・人件費の削減
・決算業務の効率化

経理業務を効率化するための具体的な手法を紹介する前に、まず取り組むべき2つのポイントについて解説します。自社がどのように業務を効率化していくべきか明確になるので、ぜひ取り組んでみてください。

業務効率化で重要なのは、まず現状を把握すること。現在どのような業務が発生しているのか、工数はどの程度かかっているのか、現場のスタッフが抱えている課題は何かなどを洗い出しましょう。

業務内容を洗い出す際には、先程説明した「日ごと」「月ごと」「年ごと」に発生する業務で分類し、時系列順に書き出していきましょう。まずは「売上管理」といった大まかな内容から書き出し、次に「請求書発行」「入金確認」といった細かな作業に分類していくと漏れが少なくなるでしょう。

業務内容が可視化されれば、抱えている課題が見えてきます。洗い出した業務内容と工数をもとに、確認作業に手間がかかりすぎているなど、改善すべきポイントを分析していきます。

業務の見直しで活用できるのが「ECRS(イクルス)の原則」という業務効率化のためのフレームワークです。以下4つの原則を参考に、業務を見直していきます。

・Eliminate（排除）：業務をなくしても問題ないか
・Combine（結合）：そのほかの業務とまとめられないか
・Rearrange（再配置）：業務の順序や方法を変えられないか
・Simplify（単純化）：業務を簡略化できないか

簡単なフレームワークですが、見直してみると無駄な作業が見つかることも。特定の業務に工数が多くかかっている場合などは、ツールを導入したり、その業務をアウトソーシングしたりすることで効率化できるでしょう。

経理業務は、会社全体で効率化を進めるようにしましょう。経理担当者個人の努力では、効率化できる範囲は限られます。

多くの企業が取り組んでいる経理業務を効率化する方法は、以下の3つ。自社がまだ取り組んでいないものがあれば、ぜひ検討してみましょう。

紙や現金を利用している企業は、ペーパーレス化・キャッシュレス化を進めることをオススメします。紙や現金には、紛失リスクもあり、管理にも手間とスペースが必要です。

近年では、国が主体となって、帳簿や領収書、請求書といった書類を電子データでの保存を推進しています。DX・デジタル化に向けて、実際に法改正も進んでいるため、いま企業には迅速な対応が求められています。

従来のやり方を変更するには、手間やコストがかかりますが、一度デジタル化してしまえば業務を効率化できる可能性は高いです。従業員の働きやすさにもつながるため、ペーパーレス化・キャッシュレス化にまだ取り組んでいない企業はなるべく早く取り組むことをオススメします。

最近では、DXを支援するサービスも増えています。社内に詳しい人がいないという企業は、利用を検討してみてください。

クラウド会計ソフトは、経理業務の多くを簡潔化・自動化できます。クラウド会計ソフトを導入した企業には、従来と比べ50％経理業務にかかる時間を削減できたケースも。

会計ソフトを利用するデメリットには「コスト」がありますが、近年主流になりつつなるクラウド会計ソフトでは、比較的低価格で利用できるようになりました。

会計ソフトの多くは、法改正による書類の様式変更などにも自動で対応してくれるため、情報収集や業務フロー改善といった工数が削減できるのも大きなメリットです。

経理業務はルーティン業務が多いため、アウトソーシングに適しています。経理のアウトソーシングには、以下のようなメリットもあり、大きく効率化できる可能性があります。

閑散期／繁忙期や企業の成長にあわせて、柔軟かつ迅速にリソースを確保できる
経理業務の属人化を防止し、退職リスクを削減できる
法改正などに半自動的に対応してくれる
人為的なミスや不正の防止につながる

企業規模や依頼する業務内容によっては、経理担当者を採用するより、アウトソーシングを活用したほうがコストが抑えられ、業務が効率化できるケースも。アウトソーシング事業者・サービスによっては、業務フローの改善やマニュアルの作成を行ってもらえる場合もあるため、長期的な業務改善にもつながります。

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