経理アウトソーシングで避けるべき失敗と成功のポイント

2024.04.24

経理アウトソーシングで避けるべき失敗と成功のポイント

現在、様々な業界で「人手不足」が深刻な課題となっており、その対策として注目を集めているのがアウトソーシングサービスです。経理業務も例外ではありません。

しかし、「経理業務の外注は不安だな・・・」「むしろ負担が増えるのではないか?」といった懸念もおありかと思います。

そこでこの記事では、経理業務のアウトソーシングに関するメリットや注意点、業者の選び方などについて解説していきます。

経理アウトソーシング


経理アウトソーシングは、企業が内部で行っている経理業務を、外部の専門的な会社に委託することを指します。経理アウトソーシングが対応できる主な業務は以下の通りです。

・売上計上・請求書発行・売掛金管理
・費用計上・銀行振込・未払金/買掛金管理
・経費精算・小口現金精算
・固定資産・減価償却管理
・伝票の起票・整理
・月次試算表・決算対応
・資金繰り・キャッシュフロー管理
・予算管理

経理アウトソーシングのメリット

この章では経理アウトソーシングを活用することの主なメリットを解説します。

本業に専念できる

経理業務をアウトソーシングすることで、自社で担当していた経理業務を最小限に抑えることができます。これにより、自社は本業により一層注力できるようになります。

自社で経理スタッフを雇用する必要がない

優れた経理スタッフを雇用することは簡単ではありません。特に中小企業にとっては大きな問題であると言えます。また、スタッフが退職する際には引き継ぎなどが必要です。

経理業務のアウトソーシングを利用すると、自社で経理スタッフを雇う必要がなくなり、退職時に社内で混乱することもありません。

業務の繁閑に柔軟に対応できる

経理業務の量は年間を通して一定ではなく、特に年末や決算月に急増する傾向があります。しかし、自社で経理スタッフを雇っている場合、そのピーク時に臨時で人員を増やすことは簡単ではなく、繁忙期には経理スタッフが無理な残業を強いられることがよくあります。

一方、経理業務をアウトソーシングすれば、業務の繁忙期や閑散期に柔軟に対応できるようになります。

横領や不正経理を防ぎやすい

自社で経理を行う場合、不正経理や横領などのリスクが生じる可能性も考えられます。特に、経理を担当するスタッフが1人であり、業務が不透明な状態であれば、横領や不正経理のリスクが高まります。

経理業務をアウトソーシングすることで、不正経理や横領などの問題を防ぎやすくなります。

自社従業員に報酬情報を知られずに済む

経理担当者に役員報酬などの機密情報を知られたくないという考えが一般的です。しかし、経理業務を自社で行う場合、経理担当者に役員報酬などを隠すことは難しいです。

経理業務を外部にアウトソーシングすれば、従業員には役員報酬などの情報を秘密にできます。

コスト削減の可能性がある

経理業務をアウトソーシングする際には、高額な費用がかかると心配する方もいるかと思います。しかし、実際には経理担当者を雇用するよりも、アウトソーシングを手頃な価格で利用できる場合もあります。

経理をアウトソーシングするデメリット

この章では経理業務のアウトソーシングに伴う主なデメリットを2点挙げます。

業務の説明や引き継ぎに手間がかかる

経理業務を社内ですべて行っている場合、業務が個人に依存していることがよくあります。業務手順が明確でなく、経理をアウトソーシングする際に、引き継ぎがスムーズに進まないケースもあります。

セキュリティ上のリスクが存在する

経理業務をアウトソーシングすると秘匿性が高い情報を外部に預けることになります。アウトソーシング先のセキュリティ対策が不十分であれば、情報漏洩のリスクがあります。

アウトソーシング先を選定する際には、そのセキュリティ体制を十分に確認することが必要です。

経理アウトソーシングでの失敗原因と事例

この章では経理アウトソーシングでの失敗事例や原因を挙げます。

経営状況の把握不足が経営悪化につながったケース

経理をアウトソーシングすることで、コア業務にフォーカスしやすくなる一方で、経理業務の状況を把握しにくいという課題が生じます。このデメリットが原因で、経営状況を見逃し、結果的に企業の状態が悪化するケースも見受けられます。

経理業務を外部業者に委託した場合、経営状況を見逃さないようにするには、定期的な連携が必要です。

想定していた効果が得られなかったケース

経理アウトソーシングを導入した場合、業者が柔軟性や専門性に欠け、期待した効果が得られないという事例もあります。柔軟性が不足している業者は、「契約に明記されていない業務への対応ができない」や「追加業務には追加コストがかかる」といった問題が生じることがあります。また、専門性が不足している業者は、「記帳の際に多くの修正が必要」といった品質の低さや、「意図を理解してもらえない」といった課題が発生する可能性があります。

このような失敗を避けるためには、契約前に業者の対応範囲や柔軟性、実績などをしっかり確認し、期待通りの効果が期待できる業者を選定することが必要です。

担当者とのコミュニケーションが不足し、トラブルが生じたケース

アウトソーシング先の担当者との情報共有が不十分であり、コミュニケーションがとれなけば、トラブルが生じる場合があります。


以上これらの事例を踏まえ、経理アウトソーシングを検討する際には、契約前の確認、適切なコミュニケーションの確立などが必要です。

経理アウトソーシングの成功のためのポイント

経理アウトソーシングは業務の改善や効率化に寄与する一方で、時には失敗することもあります。リスクを回避するためには以下のポイントに気を付ける必要があります。

課題や目的をはっきりさせる

業務を整理し、社内で抱えている問題を特定します。アウトソーシングの目的を具体的に定め、業務負担の軽減、コスト削減、属人化の解消などを明確にします。

経理担当者や社内に説明する

経理アウトソーシングの方針や必要性を経理担当者に説明し、理解を得ます。他の部署も影響を受ける可能性があるため、関係者全体に説明し、理解を求めます。

目的に合った委託先を選ぶ

会社ごとの目的に応じて適切な委託先を選ぶ事が重要です。

引き継ぎの体制を整える

アウトソーシングする業務をスムーズに引き継ぐために、マニュアルを整備し、経理担当者との打ち合わせを行います。追加の業務や対応が必要な場合に備え、条件や料金を確認しておきます。

アウトソーシング先との連絡を密にする

アウトソーシング先とのコミュニケーションを大切にし、業務を任せっきりにせず、定期的な情報共有を行います。委託先のフォロー体制も確認し、導入後も適切なサポートが受けられるようにします。

以上、これらのステップを踏むことで、経理アウトソーシングの成功確率を高めることができます。

経理アウトソーシング会社の選び方

この章では経理アウトソーシング会社を選ぶ際に失敗を避けるためのポイントを解説します。

引継ぎ時の負担を最小限に抑えるか

ソフトや業務フローの変更が会社に負担をかけないかを確認します。引き継いだ後のフォローや社員への説明など、トラブルを想定して提案しているかを確認します。

引継ぎ担当者の経験

引き継ぎを担当する人物が経験豊富かどうかを確認します。引継ぎが不十分だと、後からトラブルや混乱が生じる可能性があるため、慎重に確認します。

以上、これらのポイントを考慮することで、経理アウトソーシング会社を選ぶ際のリスクを最小限に抑えることができます。

まとめ

「経理業務をアウトソーシングする」と言っても、その内容は非常に幅広く、さまざまなアプローチがあります。

貴社にとっての負担は具体的に経理業務のどの部分であり、アウトソーシングを導入して余ったリソースをどのように活用したいかを具体的にイメージすることが非常に重要です。しっかりとしたビジョンを描けば、アウトソーシングは貴社にとって大きな助けになるかと思います。

今後日本はますます人手不足が進むとされています。業務がスムーズに回らない時や、ノンコア業務が負担となる時に、アウトソーシングは一つの有効な手段となります。特にボリュームが大きく、アウトソーシングしやすい経理部門は、導入の最初のステップとしておすすめです。ぜひ検討してみてください。

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