電子帳簿の取扱いを定めた電子帳簿保存法とは?わかりやすく解説

2024.05.24

電子帳簿の取扱いを定めた電子帳簿保存法とは?わかりやすく解説

 電子帳簿保存法がスタートしました。事前に準備ができていた経営者や従業員の方でも、いざ運用してみると分からないことが意外と多いのではないでしょうか。
 本記事では、電子帳簿保存法の概要と対応するメリット・デメリットについて解説しています。基本的な内容からもう一度確認したい方は、ぜひお役立てください。

電子帳簿保存法とは国税関係の書類や帳簿の保存方法を示したもの

 電子帳簿保存法とは、国税関係の書類や帳簿を電子的に保存するための法律です。この法律に対応することで、企業が紙の帳簿や書類を電子化し、効率的に管理できます。また、電子帳簿保存法は、企業が税務調査に対応するための帳簿書類の取り扱い基準も定めています。

電子帳簿に含まれるものとは?

 電子帳簿とは、企業がビジネスを行う上で必要となるさまざまな帳簿や書類です。

国税関係帳簿

 国税関係帳簿とは、企業が税務申告を行うために必要となる帳簿のことを指します。これには、売上帳、仕入帳、給与台帳などが含まれます。

国税関係書類

 国税関係書類とは、税務申告に関連する書類です。これには、領収書、請求書、契約書などが含まれます。

電子取引データ

 電子取引データとは、企業が電子商取引を行う際に生成されるデータです。これには、注文データ、配送データ、決済データなどが含まれます。

電子帳簿保存法にある3つの保存方法

 電子帳簿保存法には、企業が選択できる3つの保存方法があります。

電子帳簿等保存

 電子帳簿等保存とは、企業が電子的に生成した帳簿や書類をそのまま保存する方法です。これには、電子会計システムで生成された帳簿や、電子メールで送受信した書類なども含まれます。例えば、メールを利用して見積額に関する内容をやり取りした場合には、その保管も必要です。

スキャナ保存

 スキャナ保存とは、企業が紙の帳簿や書類をスキャナで読み取り、PDFに変換したデータを保存する方法です。これには、領収書や契約書などの紙の書類が含まれます。

電子取引保存

 電子取引保存とは、企業が電子商取引を行う際に生成されるデータをそのまま保存する方法です。これには、注文データ、配送データ、決済データなどが含まれます。

電子帳簿保存法に対応する3つのメリット

 電子帳簿保存法に対応することには、以下のようなメリットがあります。

業務効率化

 電子帳簿保存法に対応することで、企業は帳簿や書類の管理を効率化できます。紙の帳簿や書類を探す手間が省けるだけではなく、検索やソートが容易であるため、情報を迅速に取得することも可能です。

 電子帳簿保存法に対応することで、経理業務のDX化にもつながります。電子化は、企業の経理業務プロセスをデジタル化し、業務の効率化だけでなく、余裕ができた時間を人手不足の部門フォローや新たなビジネスチャンスの創出に活用できます。

コスト削減

 電子帳簿保存法に対応することで、企業は帳簿や書類の保管にかかるコストを削減できます。紙の帳簿や書類を保管するスペースや、それらを管理するための人件費も削減できるでしょう。
 さらに、紙をなくすことで、オフィスの省スペース化にもつながります。紙の帳簿や書類を保管するために必要だった物理的なスペースが不要となり、そのスペースをほかの用途に利用できます。これにより、オフィスの利用効率が向上し、働きやすい環境を整えられるでしょう。

セキュリティ強化

 電子帳簿保存法に対応することで、企業は帳簿や書類のセキュリティを強化できます。電子データは、パスワードでの保護や本文の暗号化により守られます。また、バックアップを取ることでデータの紛失防止にもつながるでしょう。

電子帳簿保存法に対応する3つデメリット

 電子帳簿保存法に対応することには、次のようなデメリットもあります。

導入コストの発生

 電子帳簿保存法に対応するためには、導入コストが発生します。関連する会計システムの導入や、スキャナの購入なども必要です。さらに、システムの運用にはランニングコストも発生します。これらの費用は、システムを導入し、運用する企業であれば必ず発生するものです。

 これらの費用は経費ではなく、ビジネスをデジタル化し、効率化するために必要な投資と考えることもできます。また、長期的に見れば、業務の効率化やコスト削減により回収可能です。したがって、電子帳簿保存法への対応は、初期投資が必要です。しかし、その投資は企業の成長と競争力強化に役立つステップと言えるでしょう。

データ化する手間

 紙の帳簿や書類を電子データに変換するための手間が発生します。紙の帳簿や書類をスキャナで読み取る作業は、時間と労力が必要です。これは、紙の書類が法律施行後も存在する場合です。紙の書類を1枚ずつスキャンしてデータ化して確認する作業では、人的ミスが発生する恐れもあります。

 このような手間や想定されるミスを考慮に入れたうえで、電子帳簿保存法への対応を検討することが重要です。この手間を最小限に抑えるためには、適切なシステムの導入と、効率的な作業フローの設計が求められます。場合によっては、経理代行を検討する必要もあるでしょう。

法の要件を把握した人材が必要

 電子帳簿保存法に対応するためには、法の要件を把握した人材が必要です。経営者や担当者は、電子帳簿保存法の要件を理解し、それに対応するためのシステムを適切に運用することが求められます。しかし、自社で電子帳簿保存法の知識を習得するには、時間と費用がかかります。また、外部からの人材確保も難しいでしょう。

 これらの課題を克服するためには、適切な教育とトレーニング、そして適切なリソースの確保が重要です。これらを総合的に考えると、電子帳簿保存法への対応を検討する際には、人材育成とリソース確保の観点からも検討することが必要です。

まとめ

 電子帳簿保存法は、企業が国税関係の書類や帳簿を電子的に保存するための法律です。法律に対応することで、企業は帳簿や書類の管理を効率化し、コスト削減やセキュリティを強化できます。しかし、導入コストの発生や、データ化する手間、法の要件を把握した人材確保というデメリットの理解も必要です。

 これらをすべて経営者が把握し、従業員が管理するには、法律を理解するだけで時間がかかってしまいます。人的ミスを防止するためにも経理BPOにお任せいただければ、経理業務全般を丸投げできるだけでなく、正確な帳簿管理も実現できます。

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