ERP導入の目的とメリット・デメリットを徹底解説

2024.05.07

ERP導入の目的とメリット・デメリットを徹底解説

 ERPの導入には、メリットやデメリットがあります。ERP導入が困難な場合の解決策として、丸投げできるサービスの活用を検討することも必要です。そこで本記事では、ERPを導入する前に知ってほしいメリットやデメリットだけではなく、成功させるために必要なポイントも解説しています。これらの情報を得ることで、自社の競争力を強化し、持続的な成功を達成できるでしょう。

ERP導入とは?

 ERPとは、企業が持つ資源を一元化し、有効活用する考え方です。一元化するために必要なシステムを導入することで、経営判断がしやすくなります。

ERPが広まった背景と概要

 ERPが広まった理由には、企業が持つ資源をいかに有効活用できるか、という点にあります。ERPを導入する場合、以下の導入形態が代表的です。
導入形態特徴
全体最適型すべての業務一式をカバーするオールインワンタイプ
業務ソフト型単独業務のみをソフト化
コンポーネント型ある程度の業務単位(会計、販売、生産、総務、現場など)で導入し、追加・拡張
 上記の表からも分かるように、ERPの導入は、経営を効率化できるシステムと言えるでしょう。経営資源には「ヒト」「モノ」「カネ」「情報」の4つがあり、一元管理することで、経営者が必要なときに判断材料となる情報へアクセスできます。同時に、情報を整理しながら内容を把握できるため事業を効率よくすすめるために役立ちます。

ERP導入が企業にもたらす具体的な3つの変化

 ERPを導入することで、以下の3つの効果が期待できます。
  • ・業務効率の向上
  • ・データの管理の一元化
  • ・経営戦略の最適化
 ERP導入は、企業の業務プロセスを自動化し手作業が減少します。結果、業務効率が大幅に向上し、時間とコストの節約が期待できます。

 また、企業全体のデータの一元管理が可能になるため、情報の透明性が向上し、経営判断を迅速かつ正確に実施できるでしょう。ERPはリアルタイムの経営情報を経営者に影響できるようになるため、市場環境の変化に迅速に対応でき、経営戦略の最適化も期待できます。

ERP導入によって得られる7つのメリット

ERPを導入することで、以下7つのメリットが期待できます。
・統合データベースによる情報の一元管理
・業務プロセスの効率化と生産性の向上
・リアルタイムな経営判断とスピードアップ
・内部統制の強化とセキュリティの一括管理
・情報システム部門の負担軽減
・経営の見える化と意思決定の迅速化
・機能改変や追加による柔軟性

1. 統合データベースによる情報の一元管理

 データが統合されるため、断片化や分散を解消し、会社全体で統一されたデータベースを共有できます。そのため整合性を保つことができ、更新や修正が発生しても最新版の情報を把握できます。

2. 業務プロセスの効率化と生産性の向上

 業務プロセスの自動化による時間の節約が可能です。ERPを導入するためにプロセスの見直しができ、無駄の排除ができます。あわせてツールやソフトウェアの導入による作業の効率化が図れるため、人為的ミスの減少も期待できるでしょう。

3. リアルタイムな経営判断とスピードアップ

 一元化された最新版のデータを基準にできるため、市場の変化に迅速に対応でき経営判断のスピードがアップします。また、組織内にある分散しているデータを収集・加工・分析もでき、事業の現時点での全体像把握がしやすく経営戦略の策定がしやすくなるでしょう。

4.  内部統制の強化とセキュリティの一括管理

 ERPの導入により、同時に強化の必要があるのが内部統制の強化とセキュリティの一括管理です。誰もがアクセスしやすい環境が実現するため、セキュリティ強化が求められます。主な強化方法には、以下の3つが挙げられます。
・パソコンの操作ログを管理する
・メールの送信ログを管理する
・定期的にアカウントの棚卸しを行う

5. 情報システム部門の負担軽減

 ERPの導入を自社ですべて行った場合、システムに詳しい担当者に業務が偏る恐れがあるため、アウトソーシングの活用を検討しましょう。アウトソーシングすることで、人材をほかの業務に配置でき、ITリスクを効果的に管理できます。また、AIやシステムの導入を図ることで業務の自動化も可能です。

6. 経営の見える化と意思決定の迅速化

 経営の見える化と意思決定のためには、セグメント会計の導入が必要です。セグメント会計とは、企業や地域別などの構成単位で財務情報を売上高・利益・損益などの財務諸表に記載する情報です。経営者・幹部が自社の経営実態を適時理解するのに役立ちます。経営における意思決定の迅速化につながるため、競争力の強化が図れるでしょう。

 7. 機能改変や追加による柔軟性

 システムの機能改変や追加は、従業員のスキル向上の機会を提供するだけではなく、システムの適応性が強化され、ユーザーの要求に応じたカスタマイズが可能になります。機能改変や追加は組織の柔軟性を高め、成長と進化を支える重要な役割を果たすでしょう。

 ERP導入の課題と2つのデメリット

ERP導入の課題やデメリットは以下の2つです。
・導入・運用コストと教育の必要性
・データ整理とカスタマイズの難しさ

1. 導入・運用コストと教育の必要性

 ERPの導入には、システムを効果的に使用できるようにするために、導入・運用コストと教育の必要性が求められます。ERPの導入で発生する運用と教育のコストは、主に以下の4つです。
・デジタル端末の購入費用
・高速大容量の通信ネットワークの整備費用
・セキュリティ対策費用
・ランニングコスト

 利用者の教育内容は、システムの操作方法や機能の活用法を伝えることです。費用や時間がかかるものの、ICTリテラシーやインターネット・リテラシーは自然と高まり、インターネットを安全に利用する知識が身に付きます。

2. データ整理とカスタマイズの難しさ

 データの整理は、ヒューマンエラーも発生しやすい作業であり、注意が必要です。フォルダの階層が複雑になっていることが原因で、探している情報がなかなか見つからず時間を取られている人が多いと言えます。フォルダ管理を最適化すれば、ファイルを探す時間が短くなり業務効率化が図れます。

 ERP導入の進め方と成功のポイント

ERP導入の進め方にはコツがあり、以下2つのポイントをおさえることで成功へ導きます。
・導入目的の明確化とプロジェクトチーム編成
・自社に適したERPの選定とベンダーサポート

導入目的の明確化とプロジェクトチーム編成

 プロジェクトの成功には、目的・ゴールの明確化が必要です。明確な目的とゴールを設定により、プロジェクトの進行方向が決まり、具体的なプロジェクト運営が可能になります。プロジェクトの進行と管理は、プロジェクトマネージャーの役割です。プロジェクトマネージャーは、進行状況を監視し、必要に応じて調整する役割を担います。スケジュールの管理、リソースの配分、問題の解決、リスクの管理なども含まれます。

自社に適したERPの選定とベンダーサポート

 ERPの導入においては、自社に適したERPの選定とベンダーとの良好な関係が必要です。ベンダー選びには、自社の同業種や業界内のプロジェクトを何社か経験し、業界や業務の知識を持っているかを考慮して選定しましょう。また、ベンダーとの契約条件の明確化やサービスレベルも確認します。事前のやり取りのなかで、適切なコミュニケーションと協力関係を確立できれば、自社にとって有益な導入支援が受けられるでしょう。

 ベンダーは、システムの提供、カスタマイズ、トレーニング、サポートなどの面で支援を提供しているのが一般的です。

まとめ

 ERPは企業の資源を一元管理し、経営に活かすことを目的としたシステムです。導入には主に7つのメリットがあります。しかし、専門的な知識と技術が必要であり、適切なツール選びにはベンダーの支援が必要となる場合がほとんどです。ERPの導入には、自社に適したシステムの選定だけではなく、ベンダーとの良好な関係が求められます。ベンダーはシステムの提供、カスタマイズ、トレーニング、サポートなどの面で支援を提供しています。

 しかし、すべての企業が自社でERPの導入と運用を行うのは困難です。そのような場合、経理BPOにお任せいただくことで、自社で対応することなく丸投げできます。結果、企業はコア業務に集中でき、経理業務の効率化とリスク管理が可能になるでしょう。

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