税金に関するeLTAXというシステムについて耳にしたことがあるという方もいらっしゃることでしょう。
この記事ではeLTAXについてe-Taxとの違いや利用手順などを解説します。
eLTAXとは?その概要と特徴

eLTAX(エルタックス)は「地方税ポータルシステム」の名称で、地方税に関する各種手続きをインターネット上で電子的に行える仕組みです。
従来、地方税の申告や申請、納税といった手続きは、それぞれの自治体ごとに紙の申告書を用いて対応する必要がありました。しかし、eLTAXは複数の地方公共団体が共同で運営しているシステムであり、オンライン上の共通窓口から各自治体への手続きを一括で行えるようになっています。
eLTAXは無料で利用可能なサービスです。ただし、ご利用にあたっては、インターネット環境やパソコン、場合によっては電子証明書などの準備が必要になります。これらの準備には、別途費用が発生する場合があります。
従来の紙による申告では、申告時期になると税務窓口が混雑し、長時間の待ち時間が発生することもありました。しかしeLTAXを活用すれば、自宅や勤務先などからインターネットを通じてスムーズに手続きが行えます。
提出後の受付結果は、メッセージボックスを通じてすべて一括で確認できます。
またeLTAXでは、無料で利用できる専用ソフトウェア「PCdesk」を提供しています。住所や氏名の自動入力、税額計算の補助機能、紙の申告書に近い画面レイアウトなど、申告書作成を効率よく進められる機能が揃っています。
そしてeLTAXでは、地方税に関する個人情報を安全に取り扱うため、様々なセキュリティ対策を講じています。eLTAXへのアクセスには、利用者IDとパスワード、もしくはマイナンバーカードを使った本人確認を行い、不正アクセスを防ぎます。
送信される申告データには電子証明書による署名が行われ、第三者による「なりすまし」や情報の改ざんを防止します。
必要な通信にはSSL暗号化が施されており、インターネット上での情報漏えいのリスクを最小限に抑えています。また、内部のサーバやデータベースも、ファイアウォールやアクセス監視システムによって外部からの不正アクセスをブロックしています。
このように、eLTAXは利便性と安全性を兼ね備えた電子申告システムです。
eLTAXでできる主な手続き
電子手続きに対応している税目やサービスは以下の通りです。
- 電子申告又は電子納税の対象となる税目
- ・法人都道府県民税
- ・法人事業税
- ・特別法人事業税(地方法人特別税)
- ・法人市町村民税
- ・固定資産税(償却資産)
- ・個人住民税
- ・都道府県民税
- ・(利子割・配当割・株式等譲渡所得割) など
- 電子申請・届出に対応している手続き
- ・法人設立や異動に関する届出
- ・各種申告に関連する申請・届出 など
このように、eLTAXを通じて多くの地方税に関する手続きがオンラインで行えるようになっています。
e-Taxとの主な違い
e-Taxとは、国税に関する申告・申請・納税などをオンラインで行えるシステムのことを指します。eLTAXと同様、自宅や職場などからインターネットを通じて各種手続きを行える便利な仕組みです。
e-Taxは2004年に全国で導入され、以降さまざまな機能拡充やサービス連携が進められてきました。
2023年には「マイページ」機能が新たに導入され、登録情報の確認や変更がより簡単にできるようになりました。また、確定申告書の提出後にミスに気づいた場合も、e-Taxを使えば期限内であれば再提出により修正が可能で、別途訂正の届出なども不要です。
対象となる税目の違い
eLTAXとe-Taxは、対象とする税目が異なります。eLTAXは地方税に対応しており、e-Taxは国税を扱っています。
- Taxの対応税目例
- ・所得税
- ・相続税
- ・贈与税
- ・消費税
- ・法人税
- ・酒税
- ・印紙税や揮発油税などの間接税 など
たとえば個人事業主が所得税の確定申告を行う際はe-Taxを使用し、給与支払報告書の提出といった住民税関連の手続きはeLTAXを利用します。
両システムとも電子申告や電子申請・届出の手続きをサポートしていますが、eLTAXでは「共通納税」も可能です。
共通納税とはすべての都道府県や市区町村を対象に、複数の自治体への税金をまとめて一括で電子納付できる仕組みです。
たとえば、3つの自治体に納税が必要な場合でも、まとめて納付することができ、eLTAXのシステムが自動的にそれぞれの自治体に振り分けてくれます。
一方で、e-Taxには共通納税制度はありませんが、国税全般について個別に電子納税が行えるようになっています。
eLTAXを使い始めるまでの流れ

電子証明書を用意する
電子証明書の取得手順は、発行元や認証局によって異なりますが、基本的な流れは次の図のとおりです。ここでは一例として、「商業登記認証局」および「公的個人認証サービス」を通じて電子証明書を取得する場合の手順をご紹介します。
商業登記認証局
ステップ1:電子証明書取得用ソフトの準備
まずは、商業登記電子証明書に対応した専用ソフトウェアを用意(購入)します。
ステップ2:鍵ペアの作成と証明書の申請手続き
ソフトウェアを使って、印鑑にあたる「公開鍵」と「秘密鍵」のペアを生成し、その後、認証局に対して電子証明書の発行を申請します。
ステップ3:電子証明書の受け取り
申請が完了すると、認証局から電子証明書が交付されます。
公的個人認証サービス
ステップ1:市区町村の窓口へ出向く
マイナンバーカード(個人番号カード)を持参して、お住まいの市区町村の役所または役場に行きます。
ステップ2:必要書類の提出
電子証明書の発行を申請するための書類を提出し、顔写真付きの本人確認書類(運転免許証など)を提示します。
ステップ3:電子証明書の登録
マイナンバーカードを窓口に提出し、カード内に電子証明書を記録してもらいます。
利用者IDを申請・取得する
次に、eLTAXのサイト内で利用者IDを取得します。まずPCdesk(Web版)を開き、必要な情報を入力し、利用届出を提出すると、利用者IDとパスワードが表示されます。
登録完了メールを確認する
利用届出を提出すれば提出先の地方公共団体にて確認が実施されて、手続きが完了すると「手続き完了通知」のメールが届きます。利用者IDは、利用届出提出後に表示される「送信結果一覧」から確認してください。
対応ソフトをダウンロードする
eLTAXの公式サイトでは、無料で利用できる電子申告対応のソフトウェアが提供されていますので、それらを活用するのがおすすめです。
eLTAXを使うときの注意事項:利用可能な時間帯が決まっている

受付は原則として、平日の8時30分から24時までとなっています。
(土日祝日および年末年始[12月29日~1月3日]は除きます)
ただし、日によっては24時間利用が可能な場合や、休日にも手続きが行える日があります。最新の利用可能時間については、eLTAXの公式ホームページでご確認ください。
まとめ

ここまでeLTAXについて解説してきました。税務申告についてのご不明点は税理士にご相談ください。
そして税務申告の元となる決算書の作成には是非会計アウトソーシングをご利用いただければと思います。
決算書は正確に作成する必要があります。決算書の作成は、企業にとって重要かつ手間のかかる作業ですが専門知識を必要とするため、ミスを避けるためには慎重な対応が求められます。
会計アウトソーシングでは経験豊富なスタッフが対応するため、常に最新の会計基準に基づいた正確な決算書を作成できます。これにより、内部での知識不足によるミスを防げます。
決算書作成には膨大な時間と労力がかかります。アウトソーシングを活用すれば、貴社の経営陣や社員は本業に専念できるため、業務の効率化が図れます。
計部門の人員を増強するよりも、アウトソーシングを利用することで、固定費を削減することに繋がり、必要なときに必要なサービスを受けることができます。
決算書作成を外部の専門家に任せることで、経営資源を最適化し、精度の高い決算報告が可能になります。
会計アウトソーシングを活用することで、貴社の経営をより強固なものにするための支援が得られるでしょう。
経理BPOならBPIOにお任せください

経理・労務・総務等のバックオフィス業務の代行だけでなく、業務設計やDX支援など幅広く業務を支援します。
業務を効率化し、コア業務に集中できる環境をご提供し、関わる全ての会社に最適なバックオフィス環境を実現するBPOサービスです。
ご興味がありましたら、ぜひ一度下記のボタンよりサービス概要のご確認や、お気軽にお問い合わせくださいませ。
カテゴリー
RANKING
お役立ち情報
CASE