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デジタルインボイスとは?電子インボイスとの違いやPeppol規格をわかりやすく解説!

2026.01.16

デジタルインボイスとは?電子インボイスとの違いやPeppol規格をわかりやすく解説!

新しい制度や技術が登場するたびに、「また新しい言葉が増えた」「結局、何がどう変わるの?」と、経理担当者や管理者の方は戸惑ってしまうことも多いのではないでしょうか。特に、デジタルインボイスという言葉は、電子インボイスと似て非なるものとして認識され、その違いや導入の必要性について、疑問を感じている方も多いことかと思います。

本記事は、デジタルインボイスが「何なのか」「なぜ必要なのか」を分かりやすく解説し、経理担当者・管理者・経営者の皆様の不安を解消することを目的としています。この記事を読み終える頃には、デジタルインボイスに対する理解を深め、スムーズな業務移行に向けた具体的な一歩を踏み出せるようになるでしょう。

【なぜ導入すべきか】デジタルインボイスのメリットとデメリット・課題

多くの企業にとって、請求書(インボイス)の処理は依然として紙やPDFが中心で、手入力や目視での確認作業に多くの時間と労力がかかっています。デジタルインボイスは、こうした非効率な現状を根本から変える可能性を秘めた仕組みです。

この章では、まずデジタルインボイスの基本的な定義と、それが日本のインボイス制度の中でどのような役割を果たすのかを、分かりやすく解説いたします。

デジタルインボイスの定義とインボイス制度との関係

デジタルインボイスとは、単にPDFなどの「電子データ」でやり取りされる請求書のことではありません。これは、請求書に記載される取引情報をデータとして構造化し、標準化することで、システム間で自動的に認識・連携できるようにした電子的な請求書を指します。

具体的には、請求書のデータ形式に関する世界標準規格であるPeppol(ペポル)に則って作成・送受信されるものを、日本ではデジタルインボイスと呼んでいます。Peppolは、国境を越えた企業間取引の電子化を可能にする共通の『データ言語』のようなものだとイメージしてください。

デジタルインボイスの目的は、請求書発行から受領、会計処理に至るまでの一連の業務をデジタルで完結させ、企業の生産性を飛躍的に高めることにあります。インボイス制度の開始に伴い、正確な消費税額の把握が求められる中で、このデジタルインボイスがデータの正確性と業務効率化の両面で、重要な鍵を握ると考えられます。

デジタルインボイスと電子インボイスの違いを徹底比較

最も混乱しやすいのが、「デジタルインボイス」と「電子インボイス」の違いかと思います。この二つは、「電子的な請求書」という点では共通していますが、その目的と機能には大きな違いがあります。

項目デジタルインボイス電子インボイス
定義システム連携を前提とした標準データ形式の請求書(主にPeppol規格)PDFや画像データなど、電子的に作成・発行された請求書全般
データの形式システム連携を容易にする構造化データ視覚的な文書データ(非構造化データ)
システム連携可能(自動処理が容易)限定的(OCR処理などが必要な場合が多い)
主とする目的業務プロセスの完全なデジタル化、効率化ペーパーレス化

電子インボイスは、紙を電子データに置き換えた「ペーパーレス」が主目的です。そのため、受領側では結局、データをシステムに手入力したり、OCR(光学的文字認識)で読み取る作業が発生し、完全に業務が自動化されるわけではありません。

一方、デジタルインボイスは、データの中身までを標準化し、人の手を介さずにシステムが情報を処理できる「業務の自動化」までを視野に入れています。この違いを理解することが、企業にとって真のデジタル化を進める上で重要であると言えるでしょう。

デジタルインボイスのメリットとデメリット

デジタルインボイスは、企業に多くのメリットをもたらしますが、導入にあたってはいくつかのデメリットや課題も存在します。

【メリット】

  1. 業務効率の大幅な向上:請求書の入力・確認・仕訳作業が自動化され、経理部門の負担が劇的に軽減されます。月次の請求書処理にかかる時間が短縮されることは、大きな魅力になるかと思います。
  2. ヒューマンエラーの防止:手入力を伴わないため、入力ミスや転記ミスといった人為的なエラーがゼロになります。
  3. コスト削減:紙代、印刷代、郵送費、保管スペースにかかるコストを削減できます。
  4. ガバナンス強化:データの改ざんが難しく、電子帳簿保存法にも対応しやすいため、内部統制の強化に繋がります。

【デメリット】

  1. 初期導入コスト:Peppolに対応したシステムの導入や、既存システムの改修に初期費用が発生します。
  2. 取引先の対応状況:取引先がデジタルインボイスに未対応の場合、結局は紙やPDFでのやり取りが残り、運用が混在することになります。
  3. 社内教育の必要性:新しいシステムや業務フローへの移行に伴い、社員への教育と理解促進が必要です。

これらのデメリットは、適切なシステム選定と計画的な導入プロセスを踏むことで、リスクを最小限に抑えることができると考えられます。

【現状と懸念】デジタルインボイスの普及率が伸び悩む背景と企業の課題

デジタルインボイスがもたらすメリットは大きいにもかかわらず、日本全体での普及率がまだ伸び悩んでいるのはなぜでしょうか。経理担当者や管理者の方々が抱く、共通の懸念や課題について解説します。

デジタルインボイスの導入状況と最新の普及率

現在、デジタルインボイスの基盤であるPeppolネットワークの整備は着実に進んでいます。Peppolアクセスポイントのユーザー数(企業数)は、サービス提供事業者ごとに増加傾向にあり、大手サービスプロバイダーの一部では、2025年1月時点で既に7,000件を突破するなど、大企業を中心に利用が拡大しています。

一方で、全企業に占める普及率はまだ途上にあり、特に中小企業においては、インボイス制度自体への対応が優先され、「デジタルインボイス対応」まで手が回っていない企業が多いのが現状です。これは、政府も認識しており、引き続き環境整備や啓発に力を入れています。社会全体として環境が整いつつある過渡期であると認識しておくべきでしょう。

普及を妨げる要因となる企業の懸念点とは

デジタルインボイスの導入が進まない最大の理由は、主に以下の「コスト」と「複雑さ」への懸念に集約されます。

①:コストの懸念

導入システムの費用や、既存の業務フローを変更するためのコスト(時間的・金銭的)を懸念されている経営者や管理者が多いことかと思います。費用対効果が明確に見えにくい段階では、大きな投資に踏み切りにくいのは当然のことです。

②:複雑さの懸念

Peppol規格や電子帳簿保存法など、関連する法規制や技術的な内容が複雑で、どこから手をつけて良いか分からないという経理担当者の声も多く聞かれます。新しい知識を習得し、システムを使いこなすことへの抵抗感も、導入をためらう一因になっていると考えられます。

③:相互作用の問題

自社が導入しても、主要な取引先がデジタルインボイスに対応していなければ、メリットを十分に享受できないという懸念も、導入をためらう要因になっています。

デジタルインボイスの導入はいつから義務化されるのか

現時点(2025年11月)において、デジタルインボイスの導入が法律で義務化されるという明確な期日は設けられていません。

しかし、政府はデジタル社会の実現に向けて普及を強く推進しており、公共調達などにおいてはデジタルインボイスの利用が事実上の標準となる動きが加速しています。また、海外ではデジタルインボイスの利用が義務化されている国も増えており、国際的な取引を行う企業にとっては、もはや必須の対応と言えます。

義務化を待つのではなく、業務効率化やデータ連携のメリット、そして将来的な競争優位性を得るために、早めの検討と準備を始めることが賢明であると考えられます。

デジタルインボイス導入で企業が対応すべき具体的なステップ

デジタルインボイスへの対応は、単にシステムを導入するだけでは完了しません。経理担当者、管理者、そして経営者の方々が、円滑な移行のために取るべき具体的なアクションプランを解説します。

現行の経理業務フローの見直し

デジタルインボイスを最大限に活用するためには、まず従来の「紙を前提とした」業務フローを見直す必要があります。

請求書の受領、確認、承認、仕訳といった一連のプロセスの中で、どの作業が手作業で行われているか、また、どこで時間がかかっているかを洗い出してください。その上で、「デジタルインボイスのデータが自動的にシステムに流れ込んだ場合、どこまで自動化できるか」を検討し、新しいデジタルフローを設計し直すことが最初のステップになります。

対応可能なシステムの選定と導入

デジタルインボイスに対応するには、Peppol規格に対応したサービスプロバイダーを経由してデータの送受信を行う必要があります。システム選定の際には、以下の点を重視してください。

  • Peppol対応の有無:これが最も基本的な要件です。
  • 既存システムとの連携性:現在お使いの会計システムや販売管理システムと、スムーズにデータ連携ができるかを確認してください。連携性が低いと、結局手作業が残ってしまいます。
  • 電子帳簿保存法への対応:デジタルインボイスの保存要件(真実性・可視性の確保)をシステムが満たしているかを確認してください。
  • 操作性:経理部門だけでなく、他の部門のメンバーも使いやすく、定着しやすいインターフェースであることも重要です。

複数のサービスを比較検討し、自社の規模や予算に合った最適なソリューションを選ぶようにしましょう。

デジタルインボイスに関するよくある質問

Q.デジタルインボイスの導入に費用はかかりますか?

A.はい、導入には初期費用と月額利用料などのランニングコストがかかることが一般的です。費用は、企業の規模、利用する機能の範囲、導入するシステムの種類によって大きく異なります。

しかし、業務効率化によって削減できる人件費や紙代、郵送費などのコストを考慮すれば、中長期的に見て費用対効果が高いケースも多いと考えられます。導入を検討される際には、削減効果と導入コストを比較した費用対効果のシミュレーションを行うことをお勧めいたします。

Q.デジタルインボイスのデータ保存期間は何年ですか?

A.デジタルインボイス(適格請求書)のデータ保存期間は、電子帳簿保存法及び法人税法に基づき、原則として7年間と定められています。欠損金が生じた事業年度など、特定の条件では10年間保存する必要がある場合もあります。

保存方法についても、電子帳簿保存法の要件を満たす必要があります。デジタルインボイスに対応したシステムは、この保存要件を自動的に満たすように設計されているものが多いため、システム選定の際には保存機能についても確認することが重要です。

なお、自社の具体的な保存期間やシステム運用における法対応の詳細については、個別の事情や最新の法規制を踏まえる必要があるため、必ず税理士等の専門家にご確認ください。

Q.デジタルインボイスはすべての取引先との間で利用できますか?

A.デジタルインボイスは、自社だけでなく、取引先もPeppolに対応したシステムを導入している場合に、その自動連携のメリットを最大限に享受できます。

現時点では、すべての取引先が対応しているわけではありませんので、当面は紙やPDFの請求書とデジタルインボイスが混在する運用になると考えられます。自社の導入と並行して、主要な取引先に対してデジタルインボイスへの移行を促すためのコミュニケーション戦略も、効率化を進める上で必要になるかと思います。

まとめ:デジタルインボイスを正しく理解し、DX化を進めよう

デジタルインボイスは、「電子インボイスとの違いがわからない」という混乱から、「いつから対応すべきか」という実務的な課題まで、多くの企業が疑問を抱えるテーマであるかと思います。

本記事を通じて、デジタルインボイスが単なる制度対応ではなく、企業の業務プロセス全体をデジタル化(DX)し、生産性と競争力を高めるための重要なツールであることをご理解いただけたのではないでしょうか。

デジタルインボイスの正しい理解は、企業のDX推進を加速させるための第一歩です。この機会に、BPIOのサービスを活用して、貴社の経理業務における非効率を解消し、未来に向けたデジタル化を力強く推進しませんか。導入に関するご質問やご相談からでも、お気軽にお問い合わせください。

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