NEW
借方と貸方の違いを徹底解説!どっちに書くか迷わない覚え方と仕訳の基本

2026.02.24

借方と貸方の違いを徹底解説!どっちに書くか迷わない覚え方と仕訳の基本

経理業務を始めたばかりの方にとって、最初にして最大の壁となるのが「借方(かりかた)」と「貸方(かしかた)」の区別ではないでしょうか。 日々の取引を帳簿に記録する際、どちらにどの金額を書くべきか迷ってしまうのは、決して珍しいことではありません。

しかし、借方と貸方の概念は、会計の世界における共通言語です。 この基本を正しく理解することで、日々の仕訳作業がスムーズになるだけでなく、会社の財務状況を正しく把握する力が身につきます。

本記事では、初心者の方でも二度と迷わないような覚え方のコツから、実務で役立つ具体的な仕訳のルールまでを分かりやすく解説します。

借方と貸方の基本!左右を迷わず判断する覚え方

まずは、借方と貸方の配置を確実に覚えるところから始めましょう。 結論から申し上げますと、借方は「左側」、貸方は「右側」に記載します。これは会計上の世界共通のルールとして決まっているものです。

借方は左で貸方は右!ひらがなの書き順で覚える方法

最もシンプルで有名な覚え方は、ひらがなの「り」と「し」に注目する方法です。 「借方(かりかた)」の「り」は、最後のはらいが左側に向いています。 対して、「貸方(かしかた)」の「し」は、最後のはらいが右側に向いています。

この視覚的な特徴をイメージするだけで、「借方は左、貸方は右」という配置を直感的に思い出すことができるはずです。 実務で迷った際は、頭の中でひらがなを書いてみることをお勧めします。

なぜ借方と貸方と呼ぶのか?語源から考える本来の役割

「お金を借りていないのに、なぜ借方と呼ぶのか」と疑問に感じる方も多いかと思います。 この言葉の語源は、江戸時代の帳簿の付け方に由来すると言われています。

当時は「借りている人(債務者)」の名前を左側に、「貸している人(債権者)」の名前を右側に記載していました。 現代の会計学では、この言葉自体に「借りる・貸す」という直接的な意味はほとんど残っていません。 あくまで「左側の箱」と「右側の箱」に名前がついているだけだと割り切って考えるのが、理解を早めるコツと考えられます。

英語ではDebitとCredit!海外取引で役立つ表記の知識

グローバルな取引がある企業や、会計ソフトの英語設定を使用する場合、英語表記を知っておくと便利です。 借方は英語で「Debit(デビット)」、貸方は「Credit(クレジット)」と呼びます。

略称として借方は「Dr.」、貸方は「Cr.」と表記されることが一般的です。 クレジットカードの「クレジット」は、カード会社から見て「後で代金を受け取る権利(貸方側)」に由来していると考えると、関連付けて覚えやすいかと思います。

どっちがプラス?勘定科目ごとの借方・貸方のルール

左右の場所を覚えた次に重要なのが、「どちらに書くと金額が増えるのか」というルールです。 これは、扱う「勘定科目」の種類によって異なります。 会計では、全ての勘定科目を5つのグループに分類して考えます。

資産の増加は借方!現金の動きを例にした考え方

現金、預金、売掛金、備品などの「資産」グループは、増えた時に借方(左側)、減った時に貸方(右側)に記載します。 例えば、商品が売れて現金1万円を受け取った場合、資産である現金が増えるため、借方に「現金 10,000」と記入します。

資産は「会社が持っている財産」を指します。 左側に資産が積み上がっていくイメージを持つと、貸借対照表の構造も理解しやすくなるはずです。

負債と純資産の増加は貸方!借入金の仕訳パターン

借入金や買掛金などの「負債」、および資本金などの「純資産」グループは、資産とは逆の動きをします。 つまり、増えた時に貸方(右側)、減った時に借方(左側)に記載します。

銀行から100万円を借りた場合、負債が増えるため、貸方に「借入金 1,000,000」と記入します(通常、返済義務が生じるため)。同時に、手元の現金(資産)も増えるため、借方には「現金 1,000,000」と記載することになります。

また、純資産が増えるケースとしては、株主から出資を受けた時などが挙げられます。例えば、会社設立時に現金500万円の出資を受けた場合、貸方に「資本金 5,000,000」、借方に「現金 5,000,000」と記載します。

このように、負債や純資産が増える際は必ず貸方に記録され、それとセットで借方にも同額の資産などが記録されます。一つの取引を二つの側面から捉えるという、会計の面白い側面がここにあります。

費用と収益の発生!損益計算書に関わる科目の配置

損益計算書に関わる「費用」と「収益」も、決まった定位置があります。 給料や消耗品費などの「費用」は、発生した時に借方(左側)に記載します。 一方で、売上などの「収益」は、発生した時に貸方(右側)に記載します。

費用は「資産を減らして生み出すもの」、収益は「資産を増やす原因となるもの」と捉えると、資産の増減ルールとの整合性が見えてくるかと思います。

実務で役立つ仕訳の具体的な手順と書き方

ルールの全体像が見えてきたら、次は具体的な仕訳のステップを確認しましょう。 複雑に見える取引も、手順を追って分解すれば決して難しくありません。

仕訳の基本ステップ!取引を2つの側面で捉える

仕訳を行う際は、まず「何が増えて、何が減ったのか」という2つの側面を探します。 例えば「事務用品を現金3,000円で購入した」という取引であれば、以下のようになります。

  1. 事務用品費(費用)が発生した。
  2. 現金(資産)が減少した。

この2点を整理することで、借方に費用、貸方に資産を配置するという判断がスムーズに行えます。

勘定科目の選び方!適切な分類で正確な帳簿を作成する

取引内容をどの名目で記録するかを決めるのが、勘定科目の選択です。 同じパソコンの購入でも、10万円未満なら「消耗品費」、10万円以上なら「工具器具備品」とするなど、社内のルールや税法に基づいた判断が必要になります。

適切な科目を選ぶことは、後から経営状態を分析する際に非常に重要です。 迷った際は、過去の仕訳事例を確認したり、会計基準を参照したりして、一貫性を保つように努めましょう。

仕訳帳から総勘定元帳への転記!正確な事務作業のポイント

仕訳帳に記入した内容は、最終的に勘定科目ごとの集計表である「総勘定元帳」へ書き写されます。 現代では会計ソフトが自動で行ってくれるケースがほとんどですが、この「転記」の仕組みを理解しておくことは大切です。

借方に書かれた数字は必ず借方へ、貸方の数字は貸方へ。 この原則を徹底することで、集計ミスを防ぎ、正確な財務諸表の作成へと繋がります。

よくある質問!借方と貸方のQ&A

最後に、実務の中で多くの担当者が抱きやすい疑問についてお答えします。

Q1.借方と貸方の合計金額が一致しない原因は何ですか?

A.借方と貸方の合計が一致しない状態は、どこかに記入ミスや入力漏れがある合図です。 主な原因としては、単純な数字の打ち間違い、左右の逆転入力、あるいは一方の仕訳だけを入力してもう一方を忘れているケースなどが考えられます。 これらが一致することは「貸借平均の原理」と呼ばれ、会計の正確性を担保する極めて重要な仕組みの一つと考えられます。

Q2.貸借対照表と損益計算書で借方と貸方の意味は変わりますか?

A.基本的な配置ルール(借方は左、貸方は右)に変わりはありません。 貸借対照表では「資産・負債・純資産」の状態を示し、損益計算書では「費用・収益」の発生状況を示しています。 どの書類であっても、左側は「資金をどう使っているか(運用)」、右側は「資金をどこから持ってきたか(調達)」という本質的な意味合いを含んでいると考えると理解が深まります。

Q3.振替伝票に起票する際、左右を間違えた時の修正方法は?

A.その時の処理状況(帳簿を締めているかどうか)によって使い分けることをおすすめします。

まだ月次決算などの帳簿を締める前であれば、誤った仕訳そのものを削除または直接修正することが推奨されます。これにより、不要な仕訳データが残らず、帳簿をきれいに保つことができるためです。

一方で、すでに帳簿を締めて確定させた後にミスが発覚した場合は、安易に過去のデータを削除せず「逆仕訳」を行うのが一般的です。間違えた仕訳と全く逆の貸借で入力を行うことで、一度その取引をゼロに戻し、改めて正しい仕訳を起票します。

このように「締める前は削除、締めた後は逆仕訳」というルールを徹底することで、修正の履歴を適切に残しつつ、無駄のない正確な帳簿管理が可能となります。

まとめ:借方・貸方の習得が正確な経理業務の第一歩です

借方と貸方の区別は、一見すると複雑に思えるかもしれません。 しかし、「借方は左、貸方は右」という基本を軸に、5つのグループの増減ルールを整理していけば、必ずマスターできる知識です。

正確な仕訳は、企業の健康状態を映し出す鏡となります。 日々の業務の中で、一つひとつの取引がどのグループに属し、左右どちらに記載されるべきかを意識する習慣をつけてみてください。

BPIOでは、こうした経理業務の効率化や、バックオフィス全体のデジタル化を支援しています。 基本を理解した上で、さらに業務をスムーズに進めるためのシステム活用や体制構築について、ぜひお気軽にご相談ください。

経理BPOならBPIOにお任せください

 株式会社BPIOが展開する「BPIO」は、バックオフィス業務を3つの軸で改善するBPOサービスです。

 経理・労務・総務等のバックオフィス業務の代行だけでなく、業務設計やDX支援など幅広く業務を支援します。
業務を効率化し、コア業務に集中できる環境をご提供し、関わる全ての会社に最適なバックオフィス環境を実現するBPOサービスです。

 ご興味がありましたら、ぜひ一度下記のボタンよりサービス概要のご確認や、お気軽にお問い合わせくださいませ。