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試算表とは?書き方や種類を簡単に解説!損益計算書との違いやチェック方法も紹介

2026.03.27

試算表とは?書き方や種類を簡単に解説!損益計算書との違いやチェック方法も紹介

経理の業務を始めたばかりの頃、毎日入力している仕訳が最終的にどうなるのか、自分の作業は正しいのかと不安を感じることはありませんか。その不安を解消し、帳簿の正確性を証明してくれる強力な味方が「試算表」です。

本記事では、試算表の基礎知識から具体的な作り方、さらには間違いを見つけるコツまで、初心者の方にも分かりやすく丁寧に解説します。この記事を読み終える頃には、試算表に対する苦手意識が消え、日々の業務に自信を持って取り組めるようになっているはずです。

1. 試算表とは何か?役割と重要性を簡単に解説

試算表は、日々の仕訳の正確性を検証し、スムーズな決算へと繋げるための重要な架け橋となります。いわば、決算という本番の前に、データの不備を洗い流しておくための『総点検資料』と定義できます。

試算表は決算書の作成過程で不可欠な書類

試算表とは、日々の取引を記録した「仕訳帳」から「総勘定元帳」へ正しく転記されているかを確認するための集計表です。簿記の世界には、借方(左側)と貸方(右側)の合計額が必ず一致するという「貸借平均の原理」があります。試算表を作成してこの一致を確認することは、いわば経理業務における「検算」のプロセスと言えます。

決算書(貸借対照表や損益計算書)をいきなり作成しようとすると、もしどこかに間違いがあった場合に原因を突き止めるのが非常に困難です。そのため、作成の前段階として試算表を挟むことで、データの正確性を担保することが実務上の定石となっています。

試算表を作成する主な目的とメリット

最大の目的は、記録漏れや計算ミスを早期に発見することです。現代では会計ソフトが自動で集計してくれることも多いですが、それでも「勘定科目の選択ミス」や「二重入力」などは防ぎきれません。

毎月定期的に試算表を作成する(月次試算表)ことで、年次決算での負担を大幅に軽減できるだけでなく、会社の今の状態をリアルタイムで把握できるという大きなメリットがあります。利益が出ているのか、資金繰りに余裕があるのかを早期に知ることは、経営陣にとっても極めて価値のある情報となります。

2. 試算表の種類とそれぞれの特徴

「合計」「残高」「合計残高」という3つの形式の違いと、それぞれの実務的な使い分けを整理します。

全ての勘定科目を網羅した残高試算表とは

残高試算表は、各勘定科目の最終的な「残高」だけを集計した表です。例えば、現金の勘定であれば「今、手元にいくらあるのか」という結果だけを記載します。

この表の最大の特徴は、貸借対照表や損益計算書と数値が直結している点です。現在の財政状態や経営成績を直感的に把握しやすいため、実務で最も一般的に利用される形式であると考えられます。

なお、現在の実務で最も一般的に利用されているのは、次に紹介する「合計」と「残高」を組み合わせた「合計残高試算表」です。しかし、あまりにも一般的すぎるため、多くの会計ソフトや実務の現場では、この合計残高試算表のことを指して「残高試算表」と定義・呼称しているケースが多々あります。

取引の合計額を把握する合計試算表の仕組み

合計試算表は、一定期間内に行われた借方と貸方の「合計金額」を記載する表です。残高試算表では見えない「今月はどれだけの金額が動いたか」という取引の規模(ボリューム)を確認するのに適しています。

仕訳帳から総勘定元帳への転記が正しいかを検証する能力が非常に高く、簿記の学習や徹底した精査が必要な場面で活用されることが多い形式です。

残高と合計の両方を記載する合計残高試算表

上記2つのメリットを掛け合わせたのが合計残高試算表です。左側に合計、右側に残高(あるいはその逆)を併記することで、取引の流れと最終結果を一度に俯瞰できます。

情報量が多いため、詳細な分析を行う際や、税理士に月次の報告をする際などに非常に重宝されます。現在の会計ソフトでは、ボタン一つでこの形式を出力できるものが多いため、まずはこの表の見方に慣れるのが上達の近道かもしれません。

3. 試算表と損益計算書や貸借対照表は何が違うのか?

試算表は「社内での確認用」、決算書は「外部への報告用」という目的と作成タイミングの違いを明確にします。

試算表はあくまで「作成過程」の集計表です

決算書が「1年間の成績表」として株主や銀行、税務署などの外部に公開されるのに対し、試算表はあくまで社内のチェック用資料です。

大きな違いの一つに「決算整理仕訳」の有無があります。決算書は、減価償却費の計上や棚卸資産の確定など、1年間の正しい利益を算出するための調整を終えた後の姿です。一方で、日々の業務で目にする試算表は、それらの調整を行う前の「生の数字」であることが多いため、その性質を正しく理解しておく必要があります。

月次試算表が経営管理に欠かせない理由

年に一度の決算報告だけでは、現代の速いビジネススピードにはついていけません。月次試算表を作成することで、「先月に比べて広告費が増えすぎている」「売上は上がっているのに現金が増えていない」といった異変にいち早く気づくことができます。

経理担当者が迅速に試算表を仕上げることは、経営者がアクセルを踏むかブレーキを踏むかを判断するための「計器」を提供することと同義です。それは、単なる事務作業を超えた、企業経営への大きな貢献であると言えるでしょう。

4. 初心者でも分かる!試算表の作り方と手順

日々の仕訳を元帳へ転記し、最終的に試算表へ集計するまでの具体的な作業フローを解説します。

日々の仕訳を元帳へ転記し、最終的に試算表へ集計するまでの具体的な作業フローを解説します。

実務では、会計ソフトに「仕訳」さえ正しく入力すれば、これらの転記や集計、そして試算表の作成までをシステムが全自動で、しかも一瞬で行ってくれます。 そのため、手作業で表を完成させる機会は少なくなっていますが、システムの裏側でどのような計算が行われているのか、その「仕組み」を知っておくことは非常に重要です。

万が一数字に異常があった際、仕組みを理解していれば、どこに原因があるのかを自力で突き止められるようになるからです。まずは知識として、基本の手順を学んでおきましょう。

仕訳帳から総勘定元帳への転記を確認

まずは、日々の取引を「仕訳」として記録します。その後、それぞれの科目の入れ物である「総勘定元帳」に数値を移していきます。

手書きやエクセルで管理している場合、この転記の際に行を飛ばしたり、数字を書き間違えたりすることがよくあります。会計ソフトを使用している場合は自動で行われますが、入力した日付や金額が証憑(領収書等)と一致しているかを再確認する習慣が、後の試算表作成を楽にします。

各勘定科目の残高を集計して反映

全ての転記が終わったら、勘定科目ごとの合計額や差し引き残高を計算し、試算表のフォーマットに書き写します。

最後に、試算表の「借方合計」と「貸方合計」を合算します。この2つの数字が1円の狂いもなく一致したとき、あなたの帳簿は簿記のルール上、整合性が取れていることが証明されます。もし一致しない場合は、どこかに必ず原因があります。差額を特定し、入力内容を遡って調査していきましょう。

5. 試算表に関するよくある質問 Q&A

試算表の作成や確認を行っていると、「これで本当に合っているのだろうか」「数字が一致しないときはどうすればいいのか」と、一人で悩んでしまう場面も多いかと思います。

ここでは、経理の実務現場で特によく寄せられる疑問を3つピックアップしました。多くの担当者が直面する共通の悩みですので、ぜひ解決のヒントとして参考にしてください。

Q1試算表の左右が一致しない場合はどうすればよいですか?

A.手書きやエクセルで作成している場合や、ソフトへの移行期などでズレが生じた際は、まず「差額」を計算してみてください。その数字がどこかの仕訳金額と一致していれば、入力漏れの可能性があります。また、差額を「9」で割って割り切れる場合は「桁の打ち間違い(1000を100とする等)」、差額を「2」で割って割り切れる場合は「貸借を逆に入力している」可能性が高いと考えられます。

現在主流の会計ソフトを利用している場合、借方と貸方が一致しない仕訳は登録できないため、試算表の合計が左右でズレることは基本的にありません。

しかし、会計ソフトで左右の合計は合っているのに「数字に違和感がある」という場合は、科目自体の選択ミスや、二重入力、金額の入力ミスを疑うのが現代的なチェックのポイントです。

Q2.試算表は外部の金融機関に提出する必要がありますか?

A.はい、銀行から融資を受けている場合や新規で申し込む際には、直近の試算表の提出を求められるのが一般的です。決算から数ヶ月経っている場合、決算書だけでは今の会社の状況が分からないためです。常に最新の試算表が整理されていることは、銀行からの信頼を得るための重要なポイントとなります。

Q3.試算表はいつまでに作成するのが一般的ですか?

A.理想的なのは、翌月の10日前後、遅くとも15日までには前月分の試算表を完成させることです。これを「月次決算の早期化」と呼びます。時間が経つほど記憶は薄れ、不明な取引の調査に時間がかかってしまいます。新鮮な数字を早く届けることこそ、経理担当者の腕の見せ所と言えるでしょう。

まとめ:試算表を正しく理解して経理業務の精度を高めましょう

試算表の理解が実務の不安を解消し、経理としての信頼性とスキルアップに直結することを伝えて締めくくります。

試算表は決して、あなたを苦しめるための難しい書類ではありません。むしろ、あなたが行ってきた日々の仕訳という「点」を、経営に役立つ「線」へと繋げてくれる、素晴らしいツールです。

最初は貸借が一致しなかったり、数字の意味を読み取れなかったりして苦労することもあるかと思います。しかし、一つひとつの数字と向き合い、試算表を正しく作成・理解できるようになれば、経理としての市場価値は飛躍的に高まります。BPIOでは、こうしたバックオフィスの効率化やスキルアップを支援する情報を発信し続けています。ぜひ本記事を参考に、明日からの業務に自信を持って取り組んでみてください。

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