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経理で使える生成AIプロンプト10選|活用のコツとAIが間違えるポイント

2026.09.04

経理で使える生成AIプロンプト10選|活用のコツとAIが間違えるポイント

経理で生成AIが戦力になるのは、仕訳の候補出し、経費申請の一次チェック、財務データの要約といった「下書き」の工程です。生成AIにも苦手分野があるため、すべてを任せきると追徴課税につながりかねません。この記事では、そのままコピーして使えるプロンプトを10個挙げたうえで、AIの答えを社内の誰が検証するのかという運用面の問題まで整理しています。

執筆:BPIO 広報部(給与計算・経理代行の実務チーム監修)

経理業務を自動化する生成AIの役割

生成AIが経理でこなせるのは、判断の手前にある「整理」と「たたき台づくり」です。数字を確定させる工程まで任せられるかというと、現時点では難しいというのが実務側の所感です。まずはAIの守備範囲を、すでに導入企業の多いRPAと比べながら整理します。

経理のAIとRPAは何が違う?

「RPAと生成AI、どちらも業務を自動化するもの」——そんなイメージをお持ちかもしれません。ですが、この2つは得意なことがまるで違います。

RPAとは、あらかじめ決めた手順どおりにパソコン操作を自動で繰り返すツールです。対して生成AIは、自然言語の指示を解釈して、文章やデータを生成します。RPAを「決められた作業を正確に繰り返す手」だとすれば、生成AIは「情報を整理して案を出す頭脳」に近いかもしれません。

とはいえ、言葉だけではイメージしにくい部分もあります。両者の違いを、項目ごとに並べて見てみましょう。

RPA生成AI
得意なこと手順が固定された作業の反復文章の生成・要約・分類・候補出し
必要な指示厳密なルール定義曖昧な自然言語でも可
経理での例会計システムへの転記、銀行明細の取得勘定科目の候補出し、月次レポートの下書き
苦手なこと例外処理、判断を伴う作業正確な計算、最新法令の反映
出力の性質毎回同じ結果になる毎回変わりうる

こうして並べてみると、それぞれの弱点がはっきりします。生成AIは正確な計算や最新法令の反映が苦手で、RPAは判断を伴う作業が得意ではありません。ここで一つ気づくことがあります。両者の苦手な部分が、ちょうど逆になっているのです。

だとすれば、片方だけに任せる必要はありません。AIが勘定科目の候補を出し、担当者が最終的に確定させ、RPAがシステムへ流し込む。実際、こうして役割を分担している現場は少なくありません。

生成AIに任せられる経理業務は?

実務で使われているのは、おおむね次の4つです。

  • 領収書・請求書を読み取り、テキスト化したうえで勘定科目の候補を出す
  • 経費申請の内容を社内規程と突き合わせ、確認すべき箇所を洗い出す
  • 月次の財務データを読み込み、前月から動いた項目を要約する
  • 制度や用語について、担当者向けに噛みくだいた説明をつくる

共通しているのは、いずれも「人が最後に目を通す前提の作業」だという点です。裏を返せば、確認する人がいない工程にAIを置くのは危険だということでもあります。

そのまま使える経理プロンプト10選

生成AIの精度は、指示の書き方でほぼ決まります。「これ、どう処理する?」と投げても使える答えは返ってきません。前提条件と出力形式を先に指定するだけで、手直しの量はかなり減ります。以下は業務別に整理した10パターンです。自社の規程名や勘定科目の呼び方を差し替えてご活用ください。

【入力前の注意】取引先名、従業員の氏名、実際の金額といった情報は、そのまま入力しないでください。「A社」「〇〇円」のように置き換えるか、入力内容が学習に使われない法人向け環境で利用するのが前提です。

勘定科目・仕訳に迷ったときのプロンプト

科目の判断で手が止まったときに、検索の代わりとして使う想定です。返ってきた候補をそのまま採用するのではなく、選択肢を絞る材料として扱います。

  1. 以下の領収書の購入内容(例:〇〇書籍、〇〇ソフトウェア)について、一般的な企業会計で適切と考えられる勘定科目を3つ挙げ、それぞれを選ぶ理由を1文ずつ添えてください。
  2. 従業員が立て替えた〇〇円の出張旅費を現金で精算した場合の仕訳例を、借方・貸方に分けて示してください。
  3. 軽減税率対象の飲食料品と標準税率の日用品を同時に購入した場合、仕訳をどう分けるか手順を説明してください。

経費精算のチェックに使うプロンプト

提出された申請を、担当者が見る前にざっと通すための使い方です。指摘された箇所を人が確認する、という順番になります。

  1. 以下の経費申請について、一般的な交際費の要件(1人当たりの金額基準など)に照らして、確認したほうがよい点を挙げてください。
  2. 出張の宿泊費・交通費の申請データです。一般的な出張旅費規程と照らし、不備や追加確認が必要な項目を列挙してください。
  3. 宛名が「上様」の領収書を経費処理する場合、税務上どのようなリスクがあり、実務ではどう対応するのが一般的かをまとめてください。
  4. 社内メンバーのみで行った飲食費について、会議費・福利厚生費などどの科目で処理すべきか、判断の基準と、残しておくべき記録を教えてください。 

財務データの要約や下調べに使うプロンプト

報告資料の骨組みづくりや、計算の前提知識を押さえる場面向けです。数値そのものの算出には使わない、と決めておくのが安全です。

  1. 以下の月次決算データ(売上・原価・販管費など)から、前月比で大きく動いた項目を抽出し、箇条書きで要約してください。
  2. 月給制の従業員の残業代を計算する際、割増賃金率と基礎賃金がそれぞれどう決まるのか、計算式とあわせて説明してください。
  3. 社会保険料率のうち、直近で改定があった項目について、経理担当者が実務で注意すべき点を要約してください。改定年月と対象の料率も明示してください。 

10番目のように制度の改定を扱うプロンプトは、回答をそのまま信じないでください。後述しますが、AIが最も間違えやすいのがこの領域です。

生成AIの限界と確認作業に潜むリスク

生成AIは、学習したデータをもとに「それらしい文章」を確率的に組み立てます。正しさを保証する仕組みは入っていません。この性質上、存在しない条文や失効した税制を、断定口調で提示してくることが稀にあります。1円の差や科目の取り違えが決算・申告に響く経理では、このミスが致命傷になり得ることはご想像いただけると思います。

AIの誤回答はどんなトラブルにつながる?

典型的なのは、古い税制を前提にした処理方法を提案されるケースです。改正前の基準額や廃止された特例を、いかにも現行制度のように説明してきます。担当者がそのまま処理し、税務調査で指摘されれば、修正申告と追徴課税という流れになります。

厄介なのは、AIの回答が「間違っていそうに見えない」ことです。文章として整っているぶん、知識のない人ほど疑いにくい傾向があります。

「AIが出した計算結果や仕訳は参考情報として扱い、法令や国税庁の資料など一次情報を正しく解釈しているかを確認して裏を取る」といった人的な運用ルールを、導入と同時に決めておく必要があります。

AIの答えを検証できるのは誰か?

ここが、生成AI導入で最後に残る問題です。AIの出力を検証するには、そもそもAIより詳しい人が社内にいなければなりません。検証できる人材がいないままAIを導入すると、効率化どころか、誤りが誰にも気づかれずに通ってしまう体制ができあがります。

「AIを使えば経理の専門知識がなくても回る」という発想は、実態と逆です。AIを安全に使える会社ほど、判断できる人が社内にいる状態で、人手が足りない会社ほどAIのリスクを取りにくい構造になっています。

検証体制に不安があるならBPOという選択肢も

社内に検証できる人がいない場合、選択肢は「人を採る・育てる」か「外注する」かの二択です。採用と育成には時間もコストもかかるため、専門知識が必要な業務から先に切り出す判断をする企業は少なくありません。

アウトソーシングで減らせるリスクとは?

社内完結にこだわると、担当者一人に業務が集中しがちです。その人が退職・休職した瞬間に業務が止まる、という属人化のリスクは決して珍しい話ではありません。加えて、AIの誤りをチェックできない体制はコンプライアンス面の弱点にもなります。

定型かつ高リスクの業務を外に出すことで、この2つは同時に軽くなります。空いた社内リソースは、資金繰りの管理や部門別の採算分析など、外に出しにくい仕事に振り向けられます。

専門家に任せると何が変わる?

当社株式会社BPIOをはじめとする経理代行会社は、最新の制度に沿って日々の経理業務を適正に処理することを重視しています。料率や運用の変更にも対応した処理を行うことで、結果として防げるのが、未払い残業代の発生、社会保険料の徴収漏れ、算定基礎届の記載ミスといったトラブルです。いずれも後から発覚すると訂正手続きと従業員への説明が必要になり、金額以上に手間がかかります。

よくある質問

Q1.紹介されているプロンプトは、そのまま実務で使えますか?

A.型としてはそのままコピーして使えます。ただし、実際の金額や個人名を入力するのは避けてください。情報漏洩のリスクがあるため、ダミーデータに置き換えるのが前提です。また、業種や社内規程によって適切な処理は変わるので、「当社は〇〇業で、交際費の上限は1人〇〇円」といった前提条件を追記すると精度が上がります。

Q2.生成AIに入力してはいけない情報は何ですか?

A.取引先名、従業員の氏名・マイナンバー・給与額、未公表の財務データ、契約書の原文などです。一般向けのAIサービスでは入力内容が学習に使われる場合があるため、機密性の高いデータを扱うなら、学習に利用しない設定の法人向けプランや社内環境を用意してください。

Q3.まず、どの業務から生成AIを試すのがよいですか?

A.失敗しても影響が小さく、人が必ず最終確認する業務から始めるのがおすすめです。たとえば月次データの要約や、経費申請の一次チェックなどが向いています。逆に、数値の確定や最新の法令にもとづく判断は、AIが苦手とする領域なので避けたほうがよいでしょう。

まとめ

生成AIは、経理の下書き工程を確実に速くします。仕訳の候補出し、経費申請の一次チェック、月次データの要約。このあたりは、今日からでも試す価値があります。

一方で、AIの出力を検証できる人が社内にいるかどうかが、導入の成否を分けます。検証者がいないままAIを走らせると、効率化した分だけ誤りも速く流れていきます。社内の確認体制に不安があるなら、記帳業務や給与計算のように専門知識が要求される業務から外部に切り出すのが、遠回りに見えて確実な道です。

BPIOでは、AIの処理速度と人の判断を組み合わせたバックオフィス支援を提供しています。どこまでを社内に残し、どこから任せるか。その線引きの相談からお受けしていますので、お気軽にお問い合わせください。

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