BPaaSとは|BPOやSaaSとの違い、サービスの概要など

2024.05.17

BPaaSとは|BPOやSaaSとの違い、サービスの概要など

 BPaaS(Business Process as a Service)は新たなサービスの一環として、業務プロセスの外部委託をクラウドを介して提供する手法を指しています。BPaaSが企業の未来に対してどのような変革をもたらすのか、その全体像が気になると言う方もいらっしゃるでしょう。
 そこでこの記事では、BPaaSの基本的な概念からそのメリットに至るまでこのアプローチの詳細な解説を行います。是非ご参考にしてください。

BPaaSとは?

 最近BPaaSという単語を頻繁に耳にするようになった方も少なくないのではないでしょうか。BPaaSはクラウド技術を駆使して提供されるサービスであり、業務プロセスを外部プロバイダーが提供する形態で企業が利用できるサービスモデルのことです。

 これまで企業は主に自社で業務プロセスを構築してきましたが、BPaaSの導入により、これらのプロセスの外部委託が可能になりました。特に、企業がITインフラやシステムの構築・管理にかかる費用や手間を削減したい場合には、BPaaSが非常に魅力的な選択肢となります。企業は自社のコアビジネスに集中でき、同時に効率を向上させることが期待されています。

 昨今アジア太平洋地域では、BPaaS市場が急速に成長しており、日本国内でも主要なSIer、人材派遣会社、コンサルティング企業などが順次参入しています。
現在、BPaaSは主に経理、人事・労務、調達・購買などのバックオフィス業務で採用されています。今後はカスタマーサービス、コールセンター、販売・マーケティングなど、多岐にわたる分野での利用が広がることが期待されます。

BPaaSの主な特徴とメリット

この章ではBPaaSの主な特徴とメリットについて解説します。

クラウドベースのサービス

 BPaaSはクラウド上で提供されるため、場所を問わずにアクセス可能です。リモートワークや分散型の組織でも業務をスムーズに進めることができます。

柔軟性とスケーラビリティ

 需要の変動に応じたサービスのスケールアップ・ダウンが容易であるため、ビジネスの成長・縮小への柔軟な対応が可能です。

コスト効率の向上

 ITインフラやシステムの立ち上げや稼働にかかる初期コストや維持費用が大幅に削減でき、その資金を他の重要な事業展開に充てることができます。

専門的なサポート

 通常、BPaaSプロバイダーは熟練したスタッフを抱え、専門的な知識や技術を有しており、高品質なサービス提供やトラブルシューティングが期待されます。

セキュリティの確保

 BPaaSプロバイダーは通常、データの保護やセキュリティ対策に重点を置いており、企業の重要な情報を安全に管理できます。
 これらの特徴を考慮すると、BPaaSは現代のビジネス環境で、企業が競争力を高めるために欠かせないツールと言えます。

BPaaSと他のサービスとの違い

 BPaaSは一般的なSaaS(Software as a Service)やBPO(Business Process Outsourcing)とは異なる特長を備えています。これらの異なるサービスモデルの違いを把握することは企業にとって非常に重要です。ビジネスに最適なサービスを選択する上で助けになり、自らのニーズに適したアプローチの選択に繋がりえるからです。

SaaSとの違い

 SaaSはウェブを介してソフトウェアを提供するサービスであり、ユーザーに対してソフトウェアの使用権を提供します。これに対して、BPaaSはソフトウェアだけでなく、業務プロセスそのものを提供するサービスであり、企業に対して業務プロセスの実行と管理も包括的に提供します。
 SaaSは主にソフトウェアの利用に焦点を当てていますが、BPaaSは業務プロセス全体を対象としています。

BPOとの違い

 BPOは、企業がある特定の業務プロセスを外部に委託することを指します。BPO(ビーピーオー)は、企業が業務プロセスをまとめて外部に委託することを指します。この方法を活用することで、企業は自社が得意でない業務を外部に委託し、コア業務に経営資源を集中させることができ、生産性が向上します。また、自社よりも専門性が高い事業に業務を委託することで、本来見えていなかった課題やプロセスの無駄を発見することも可能です。
 BPaaSは、そのBPOをクラウド上で提供する形態です。BPOは業務プロセスの外部委託を指しますが、通常は企業がインフラストラクチャを所有します。対照的に、BPaaSではサービスとしてインフラストラクチャが提供されるため、企業はより低コストで業務プロセスをアウトソーシングできます。

中小企業におけるDXとBPaas

 DX(デジタルトランスフォーメーション)は中小企業において避けて通れない重要なテーマとなっていますが、資金不足、技術的なハードル、人材不足などが原因で、DXの実現には数々の困難が伴います。つまり中小企業が直面する主な課題は、限られたリソースの中で最大の成果を上げる方法を見つけることです。
 DXを実現するためには、新しいテクノロジーの導入だけでなく、組織文化の変革やビジネスプロセスの再設計も欠かせません。しかしながら、これらの変革を実現するには、専門知識を持つ人材などが必要であり、多くの中小企業にとっては大きな負担となります。同時に、デジタル化の進展に遅れを取ることは競争上の不利益につながるため、速やかな対応が必要です。

 この課題に対し、BPaaSは中小企業にとって効果的な解決策を提供しています。BPaaSを利用することで、企業は低コストで最新のテクノロジーを導入し、ビジネスプロセスをスムーズに効率化でき、リソースの制約を乗り越えつつDXを促進できます。

 BPaaSが提供する柔軟性と適応性は競争環境において変化への対応を可能にし、中小企業の持続可能な成長を達成する手助けとなります。

BPaaSのサービス例

 BPaaSを導入できる業務の例は以下の通りです。
・人事・給与計算業務: 社員の給与計算や勤怠管理など
・会計・請求業務: 請求書や支払い処理、会計報告書の作成など
・データ入力・集計業務: データ入力や集計などのルーティン業務
・カスタマーサポート業務(コールセンター・コンタクトセンター):問い合わせやサポート業務
・サプライチェーン管理業務(物流業務): 製品の入出荷管理、在庫管理、調達業務など

まとめ

 BPaaSはこれまでの「業務を人に委託するBPO」と「業務をシステムで効率化するSaaS」のメリットを組み合わせ、お互いのデメリットを相殺できる革新的なサービスです。SaaSシステムの導入を検討している方や、手作業で行っている業務を自動化したい方にとって非常に有用なサービスであると言えるでしょう。

 BPOは人の手に頼る委託形態であり、SaaSはシステムを通じた自動化に焦点を当てていますが、BPaaSはその両方のアプローチを取り入れ、業務の外部委託と同時に最新のシステム技術を活用します。人的リソースの制約や手作業に伴う誤差を軽減しながら、同時に効率的なシステムを導入できるというメリットがあります。

 SaaSの利点である自動化とBPOの柔軟性を組み合わせることで、業務プロセスはより効率的に運用され、同時に企業は迅速かつリソース効果的な対応が可能となります。

 BPaaSの導入は、ビジネスプロセスの最適化を追求する上で非常に有用な戦略であり、特に多岐にわたる業務ニーズに対応する企業にとって価値ある選択肢となると言えます。

 今回の記事が皆様のBPaaSに対する理解を深めるきっかけとなれば幸いです。

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