バックオフィスのペーパーレス化について|メリット、進め方など

2024.12.12

バックオフィスのペーパーレス化について|メリット、進め方など

 紙ベースの作業がまだ残っている場合、オフィスに出社せざるを得ないことも少なくありません。たとえば、こんな理由で出社している同僚はいませんか?

契約書に印鑑を押して郵送する

プレゼン資料を会議用に印刷する

書類の提出や押印のためだけに出社するのは避けたいところです。

 しかしペーパーレス化をどこから始めるべきか、紙業務に慣れた社員をどう巻き込むか、悩むことも多いでしょう。そこで本記事では、ペーパーレス化を成功させるためのポイントを紹介します。

ペーパーレス化とは?

 「ペーパーレス化」とは、紙媒体で扱っていた文書や資料を電子データとして変換し、活用や保存を行うことを指します。

 具体的にはペーパーレス化を進めることで、オフィス内で文書を作成・共有したり印鑑をもらうために出社する必要がなくなります。その結果働く場所に縛られず、テレワークを含む多様な働き方が可能になります。

 現在働き方改革とDXの実現は企業にとって重要な課題であり、ペーパーレス化はこれら2つの実現に欠かせない手段として、今後ますます必要とされるでしょう。

バックオフィスのペーパーレス化がもたらすメリット

 働き方改革や法令対応の観点から重要視されているペーパーレス化ですが、具体的に企業にどのようなメリットがあるのでしょうか。

業務の効率向上

 ペーパーレス化の最大の利点は、業務効率の向上です。紙の使用が減少することでデスク周りが整理され、必要な書類や物を探す時間が短縮されます。

 さらに、文書のデジタル化や社内の承認プロセス、業務のワークフローをデジタル化することで、事務処理がスムーズになり、作業の効率が向上します。システムを活用することで、手作業によるミスや差し戻しが減り、書類の修正作業も少なくなります。

リモートワークなど柔軟な働き方の促進

 ペーパーレス化により、オフィス外でもさまざまな事務作業ができるようになるため、リモートワークやサテライトオフィス勤務など、柔軟な働き方が可能になります。

 また、請求書の発行や帳簿の管理、押印など、これまで紙の手続きのために出社が必要だった業務もデジタル化されることで、リモートでの対応ができるようになります。

セキュリティの向上

 紙の書類をデジタル化することで、情報のセキュリティを向上させることが可能です。ペーパーレス化により紙の書類が減少すれば、持ち出し時の紛失や盗難による情報漏えいリスクを軽減できます。

 さらに、紙の書類は誰でも目にすることができますが、デジタル化された文書にはパスワードやアクセス権限を設定することで閲覧を制限することができます。また、アクセス履歴を記録できるため、不正な利用や情報漏えいの抑止にもつながります。

情報の円滑な共有

 ペーパーレス化が進むことで、社内やチーム内での情報共有が容易になります。データをクラウドで共有することで、外出中やリモートワークをしている社員も簡単に文書にアクセスできるようになります。

コスト削減

 ペーパーレス化を進めることで、さまざまな費用を削減できます。

紙の購入費用に限らず、印刷回数が減ることでインクのコストも抑えられます。

 ファイルやホチキスの購入費も削減できるでしょう。コピーやファイリングといった作業が人の手で行われることが多いため、これらの業務がなくなることで人件費の削減にもつながります。

 コピー機のリース代やメンテナンス費も不要になります。廃棄業者への依頼が不要になる場合もあります。取引先への郵送費もカットできるでしょう。

バックオフィスでペーパーレス化を進める際のデメリット

 メリットがある一方で、デメリットも避けられません。ペーパーレス化を進めることで考えられるデメリットについて説明します。

 とはいえ、これらのデメリットは主に従業員への教育や導入時にかかるコストなど、初期段階で発生するものが多いです。そのため、ペーパーレス化が進み業務が安定してくると、大きな問題にはならないでしょう。

資料によっては視認性が低下する

 ペーパーレス化を進めると、複数の資料を同時に紙に印刷して比較することが難しくなります。また、文字が小さい文書を電子デバイスで読む際には、拡大して表示倍率を上げる必要があります。この際、画面に表示できる範囲が狭くなるため、視認性が低下する懸念もあります。

 しかし、このような問題はディスプレイのサイズを大きくしたり、使用するデバイスの数を増やしたりすることで表示領域を広げることが可能です。ペーパーレス化のデメリットは、多くの場合こうした工夫によって克服できるでしょう。

取引先が主に紙ベースを利用している場合電子化が難しいケースもある

 社内での文書のやり取りは電子化が容易ですが、取引先がペーパーレス化を進めていない場合、紙でのやり取りを求められることがあります。その際、郵送でのやり取りやデータの取り込みに影響が出ることがあります。

導入時に費用が発生する

 ペーパーレス化に移行する際には、新たな管理システムを導入したり、文書を閲覧するためのデバイスを購入したりする必要があります。そのため、ペーパーレス化を進めるには一定のコストが必然的に発生します。

 さらに、システムの選定や業務が円滑に進むようにルールを整える段階でもコストがかかります。このように、初期投資として金銭的および人的コストが必要になるでしょう。

ペーパーレス化を成功させるためポイント

 ペーパーレス化を成功させるためには、その取り組みを効果的に浸透させるためのコツを知っておくことが大切です。

ペーパーレス化の目的をスタッフと共有する

 ペーパーレス化が広がりにくい理由の一つには、従業員の反発が大きく関与しています。

 ペーパーレス化に取り組んでも、変化を好まない現場からの抵抗によって浸透しないケースは少なくありません。「なぜそれが必要なのか」「何の目的で行うのか」といった意図を明確にし、従業員が自分ごととして捉えられるようにすることが、ペーパーレス化を進めるための基盤を作るためには重要です。

ペーパーレス化の対象業務を明確にし範囲を絞る

 バックオフィスの紙書類を一度に全てペーパーレス化しようとすると、多くの場合成功しません。コストや時間がかかるだけでなく、法令や取引先との関係からペーパーレス化できない書類も存在するため、「何がペーパーレス化可能か」「どこから着手すべきか」「そもそも必要な書類か」をしっかりと見極めることが重要です。

段階的か全体的か自社に合ったアプローチを選ぶ

 ペーパーレス化する範囲が明確になったら、段階的に進めるか、全体的に進めるかを決定することが重要です。

 これまでのペーパーレス化のアプローチでは、段階的に取り組む方法が主流であるとされていました。しかし、最近では「広範囲の業務を包括的に」進める企業も増加しています。

 たとえば、既存の運用ルールを変えないのであれば、項目のカスタマイズなど運用設定を柔軟に設計できるシステムを選ぶのが良いですが、これにはITリテラシーの高い専門スタッフを確保することが必須です。

 一方で、既存の業務プロセスを基に進める場合、ペーパーレス化が難しくなることもあります。業務プロセスを変更するには、業務の洗い出しや運用方法の模索・研究が必要となり、ITツール選定のための準備に時間と労力がかかりすぎる可能性があります。

従業員が使いやすいITツールを選定する

 新しいシステムに対して不安を抱く従業員がいる場合や、従業員のITリテラシーが不足していると、慣れるまでに時間がかかり、生産性の低下や従業員のストレスが増加するリスクが生じます。

 ペーパーレス化のために新しいシステムを導入しても、実際に使用されなければ意味がありません。そのため、「これまでの業務を大きく変更する必要はない」「マニュアルなしでも簡単に操作できる」といった点を考慮し、従業員が使いやすい適切なITツールを選定することが重要です。

まとめ

 ここまでバックオフィスのペーパーレス化について説明してきましたが、手段として会計アウトソーシングを利用することも一つの手です。

 バックオフィスのペーパーレス化には、会計アウトソーシングの導入がおすすめです。アウトソーシングを活用することで、紙の書類管理をデジタル化しやすくなり、業務効率化やコスト削減が実現できます。

 正確なデータ管理とセキュリティ強化が可能となり、リモートアクセスやリアルタイムでの情報共有もスムーズに行うことに繋がります。

 業務負担の軽減と柔軟な対応力を高めるため、ぜひご検討ください。

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